« 発展による知識の上書きで、大切なものを消してしまってはいないか | トップページ | 嬉シ 悲シノ 六字カナ »

2022年1月18日 (火)

今は昔

1995117日に発生した阪神淡路大震災。当時NHKのアナウンサーだった住田功一さんのお話しが朝日新聞に掲載されていました。
震災発生時、神戸市灘区のご実家にいた住田さんは、揺れから18分後に現地の状況をリポートしました。現地からの最初のリポートだったと思われます。ただ、情報は自分の周囲のことでしかありません。サイレンが聞こえなかったため、それほど大きな被害は出ていないとリポートされたそうですが、実際は消防も救急も手が回らない状態だったため、サイレンが鳴っていなかったそうです。結果的に、「被害が少ない」旨リポートしたことになり、そのことに今でも責任を感じ、悔やんでいることをお話しされています。
でも、無理のないことです。アナウンサーを志した使命感から、自分のできることを必死で伝えようとされたのですから。
27年前の、まだ携帯電話が個人に普及する前の話です。自分の五感を頼りに集めたわずかな情報を、固定電話で伝えていました。リポートできる内容も限られます。現在(いま)なら、どれだけの情報を収集・記録できたことでしょう!…などと考えるかもしれませんが、情報が多ければ多いで混乱も起きます。偽の情報・不確かな情報・根拠のない情報も溢れます。写真の撮り合いなど不必要な争いも起きます。「助けてください」という声に「甘えるな」という声を浴びせる人もいます。携帯があれば連絡が取り合える利点もあるかもしれませんが、回線が込み合い電話が繋がらなくなったことも、東日本大震災で経験済みです。相手が電話に出ない現実は、不安を拡大させます。
道具の普及は、必ずしも利点というか、良いことばかりではありません。この27年で、携帯やスマホが普及し、ワープロの普及を終えてパソコンが当たり前になり、子どもたちはタブレットを使いこなしています。
私の学生時代、携帯なんて誰も持たず、テレホンカード式の公衆電話を利用し、ワープロを持っているだけでも珍しく(ワープロでのレポート提出も認められていなかった)、みどりの窓口に並んで新幹線の紙の切符を購入して帰省していたことを思い出しています。
27年、もの凄いスピードのなかを生きてきたんですね。速さの中にいると、スピードを感じる感覚が鈍ってしまいます。

« 発展による知識の上書きで、大切なものを消してしまってはいないか | トップページ | 嬉シ 悲シノ 六字カナ »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 発展による知識の上書きで、大切なものを消してしまってはいないか | トップページ | 嬉シ 悲シノ 六字カナ »

フォト
2022年5月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
無料ブログはココログ