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2020年7月11日 (土)

紫の 絵の具

「東京新聞」 2020年7月9日(木)朝刊 「私の東京物語」より

太郎先生の絵の具 ジミー大西さん(タレント、画家)  (全10話中の第7話)

絵描きになるなんて、考えたこともありませんでしたが、僕が描いた絵を紹介するテレビ番組があって、放送後、手紙をもろたんですよ。驚きました。あの、岡本太郎先生からなんです。

キャンパスからはみ出しなさい

手紙の言葉は、どういうことなんだろう。模索しながら、芸人の仕事をしつつ、絵も描き続けていました。

ある時、ロケでインドへ行き、「ミティラー画」を見ました。パブロ・ピカソが感動したという絵なんです。太郎先生もピカソを見て涙を流したと聞いたんで、ピカソが涙を流した絵を見たかった。そこで出合った砂曼荼羅(すな まんだら)を、絵に描いたんです。

その絵を太郎先生に見てもらいたかったんですが、太郎先生が亡くなられたんです。ショックでした。この絵を奉納して、それで絵を辞めよう。そう思って、南青山の太郎先生のご自宅をお訪ねしました。娘の敏子さんが「あなたの絵を見て、すごくにこにこしていたわよ」と、先生の話をたくさんしてくださいました。アトリエに案内されたら「形見分けで、何か持っていきなさい」って言うてくれたんですよ。紫の絵の具と、筆をいただいたんです。紫を選んだのはたまたまなんですけど、僕、それまで紫は、他の色との掛け合わせが難しくて、使っていなかったんですよ。紫を使いこなさなあかん、という太郎先生のメッセージなのかなと思って、その後は、絵に紫を入れるのが、僕の大きなテーマの一つになりました。でも、太郎先生の絵の具は、いまだに使っていません。

著名人の、東京に出てきた頃の物語を、10話ずつ連載されている「私の東京物語」。

ジミー大西さんの文章は、読んでいると そこに書かれている風景が膨らんでくるかのようです。

岡本太郎先生とのエピソードに、特にこころ打たれました。

ジミー大西さんは、「絵の才能があるんじゃないの!?」と言われる前から、絵を描き続けていらっしゃいました。

その絵が番組で紹介され、岡本太郎先生の目に留まりました。

そして、岡本太郎先生からの手紙には、「キャンパスからはみ出しなさい」と書かれていました。

あぁ、素敵なやりとりだなぁと思いました。

岡本太郎さんの意図と、ジミー大西さんの受け止めがどのようなものだったかは、ふたりのみぞ知る世界でしょうね。

キャンパスからはみ出しなさい」って、温かいなぁ。

岡本太郎先生とジミー大西さんの結びつきは、必然だったのでしょうね。

最初に新聞を読んだときは、そこの部分の出合いだけに目が行っていたのですが、それだけではなく、

ミティラー画を見て感動したピカソ

ピカソの絵に涙した岡本太郎

ミティラー画の砂曼荼羅を見て、それを絵にしたジミー大西

絵を見てもらうことかなわず、先往かれた岡本太郎さん

もう絵を辞めようと思っていたら、岡本太郎さんの娘さんから形見分けをしてもらい、もらった紫の絵の具と筆

そこから始まる紫との格闘(格闘か、協調か、受容か…)

この日のエピソードには、数えきれないほどの出合いがあるのですね。

ジミー大西さんの絵を紹介した番組とは、上岡龍太郎さんのEXテレビじゃないかなぁ?

当時、その番組を見ていました。オークションで、多分笑いの要素としてジミー大西さんの絵を出品したのですが、たしか番組内での最高値がついていた気がします。

そこから、ジミー大西さんの画家としての評価が見いだされました(もちろん、複合的な要素があってのことでしょうけれど)。

上岡龍太郎さんも、ジミー大西さんの絵を見ていて、「けっこういけるんちゃうか」と想ったのではないだろうか(想像です)。

結果、その番組を見たか伝え聞いたかした岡本太郎先生の目に留まり、背中を押してもらった。

また、ジミー大西さんのこの連載を読んでいると、明石家さんまさんが多く登場します。

彼にとって明石家さんまさんは、多くの影響を与えてくれた人物だったようです。

周りからバカにされるジミー大西さんの、良いところ 良いところを引っ張り出して、前を向いて生きることを進められているように伝わってきます。

あぁ、人生は、いろいろな出合いによって成り立ち、私が私となっているんだなぁと思いました。

とっても奥行きのある物語です(決して、批評して言っているのではなくて)。

ジミー大西さんの文章、紙面からあふれ出て居ます‼

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