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2020年5月20日 (水)

示兄と口兄と

本を読んでいて、

「この祝福感をぶち壊すならば、呪ってやる」

という文章が目に留まり、面白いなと思いました。

この一文に「祝」と「呪」が入っている。

似た字だけれど、意味はまったく違う(気がする)。

お祝い事も、呪うことも、元をたどるとどちらも祭事。

豊作を願ったり(お祝い事というのは、そもそも豊作を祝うこと)、

敵方の大将に病や死をもたらそうとしたり、

そのような儀式がありました。

「兄」という字はの成り立ちは、ひざまずいてお願い事をしている姿を象っています。

また、そのお願い事をする主を「兄」という字は表わしています。

その「兄」という字に、「祝(いわう)」という意味も「呪う(のろう)」という意味も元々含まれていました。

それが、時を経て言葉の意味が細分化していくなかで、神事を表わす「示」という字が付いて「祝」、

言葉によって敵をのろうということで「口」が付いて「呪」となったそうです(諸説あり)。

ちなみに、無形不可思議なるものの力を借りて、敵と見なす者の病や死を願うことを「おまじない」と言いますが、漢字を使うと「お呪い」と書きます。

小学生の時、「兄」と「弟」という字に共通性を感じられないことを疑問に思ったことを思い出しました。

「姉」と「妹」は、女偏がついている共通項があります。

それと同様に考えれば、「男市(あに)」「男末(おとうと)」というような漢字があっても不思議ではないのに…。

なんてことを考えたことがありました。

「兄」が、「きょうだい」の年上の男性を意味する以前に、「神事や祭事を司る人」を意味しているから、儀式を執行する人・大事なことを成す人・敬われる立場にある人などの意味合いが込められている。それゆえ、「兄」を「きょうだい」の年上の男性「あに」を表わす漢字として充てた(私の憶測です)。だから日本に長兄尊重思想が根付いているのだなぁと(天皇が大事と言う人は多いのに、女性の天皇を認めようとしないことに)合点がゆきました。
「弟」は、現代(いま)では「きょうだい」の年下の“男性”を指しますが、元々は男女の別はなかったそうです。でも、女性は「妹」という漢字があり(漢字が出来、かも)、「あに」は「兄」の漢字を充てたから、「弟」は「きょうだい」の年下の男性のみを指すようになった(のかな)。

「祝う」と「呪う」って、字は似てるのに意味がまったく違うなぁ…という疑問から、いろいろなことが見えてきました。

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