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2020年4月26日 (日)

物語が、人を生かす

昨日の投稿で、「何をもって“人類”というか」ということに触れ、ひとつ思い出したことがあります。

「社会的動物」「道具を使う動物」「笑うことができる動物」、「遊ぶ人」が、昨日の『東京新聞』「洗筆」には書かれていました。ほかに、「火を使う動物」とも言われています。
私は、「物語を紡げる動物」という話をきいたことがあり、「うん、そうだなぁ!」と感動したことがあります。
人類が一番はじめに必要とした商売は「物語を紡ぐ仕事」ということも聞いたことがあります。
人類とは、ホモサピエンスとは、物語を紡げる動物である。


そのことに感化されて、
絵心(えごころ)がなくても絵は描けるけれど 
 物語(ファンタジー)がなければ人生は描けない
という言葉(自作)を掲示したことがあります(2007年5月)

宗教も、物語の延長にあるものではないでしょうか。
キリストや仏陀は実在しましたが、そのエピソードや現代(いま)に語り継がれる法(教え)は、物語の形をとっています。

今でいえばコロナ禍、かつては自然災害等で、苦しみ悲しみのなかに身をおくと、「神も仏もないものか」「神も仏もなにもしてくれないのか」という怒りにも似た声を聞きます。
それは、神や仏が、禍(災い)そのものを取り除いてくれる存在として捉えているからでしょう。申し訳ないことですが、禍そのものを取り除く力もないし、そのために拝む対象ではありません。


物語として語られる教えを通して、人びとは現実を直視し・・・
といっても、「禍の現実を直視し」という意味ではありません。禍の現実の直視は、もうすでに誰もがしているのですから。この、誰もが支え合いながら生きねばならない状況においても、人は他者(ひと)を貶めます。コロナ罹患者を悪者扱いし、医療従事者やその家族を差別し、必要以上に物資や食料を買いため、コロナの原因を誰かに押し付け、人命の見えない経済活動に執着し
・・・禍における人間の現実を直視する眼が、教えから与えられています。他者を貶める“人”とは、わたしのことでした。

そういう人(わたし)だけれども、そういう人(わたし)だからこそ、救い主と教えを説く者がいいる。
物語は、私の存在を肯定してくれる大地です。

人生における物語の必要性・重要さを描いている漫画に出あいました。
週間少年ジャンプに連載されている「Dr.STONE(ドクターストーン)」です。


【ストーリー】
ある日、世界中の人類が石化してしまう謎の現象に巻き込まれた高校生の大樹。約3700年後、目覚めた大樹は、先に復活していた親友の千空と再会する。2人は石の世界(ストーンワールド)でゼロから文明を作ることを誓うのだったー。

 

全人類が石化してから約3700年。当然過去の建造物は壊れ、石化した多くの人びとは崩れ去り、文明が作り出してきたものもありません。
食料や道具や薬や…様々なものを自然から調達して、ゼロから文明を作る中で、千空と大樹は、人類に出あいます。
その人類は、人類が石化したときに、地球にいなかった人、宇宙飛行士として地球外に飛び出していた6人が遺した子孫でした。その6人のうちの一人が、千空の父でした。
宇宙から、地球の異変に気付いて帰還してきた6人の宇宙飛行士。どうすることもできません。しかし、千空の父は前(未来)を見ていました。何年後のことか分からないが、仮に石化から解放された際、息子の千空は必ず人類のために行動を起こす‼ と、信じていました。
「いつの日か千空が目覚めた時 絶対に仲間が必要になる 繋ぐんだよバトンを 幾千年の未来に…!!!」

千空の父は子どもを授かり、子どもたちに物語を伝えます。子孫たちが生き抜くための知恵袋としての「百物語」を。
いつ石化がとけるかもわからないなか、物質を残しても、物質そのものは無くなってゆきます。けれど、人間から人間へと語り継がれる「物語」はなくならない。
食料の情報、危険回避の手段、鉱石の物語・・・百個目の物語は、父からのメッセージ。

3700年のち、石化からとけた千空は、生き残った人類の村人のなかの巫女ルリから、百物語を聞かされ、父からのメッセージを受け取る。

そのようなエピソードが挿(はさ)まれています。

何も無くなっていくことがわかっているなか、物語は語り継がれる‼

あ、やっぱり「物語」は人を、人類を生かすんだ!と思いました。
(「ドクターストーン」は、夜中にアニメを放送していました。ある晩、遅くに帰ってきて、テレビをつけたらちょうど放送が始まりました。初めて見るアニメだったのですが、ヒーローものとも違うし、化学を語り始める主人公がいて、「なんだこのマンガ!?」と思って興味を持ちました。単行本を買って読んだら、上記のエピソードが出てきて、あぁ素敵な“物語”だなぁって思いました)

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