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2017年5月16日 (火)

人間が人間のいのちを自分とおなじように大事に思う

2017年5月16日(火)「東京新聞」朝刊 「本音のコラム」より

 家族の惨事   鎌田慧(かまた・さとし ルポライター)

 今週末の2日間、岡山でハンセン病市民学会の大会が開かれ、熊本地裁に提訴されている「ハンセン病家族訴訟」の支援が大きなテーマになる。
 恐るべき伝染力、執拗な遺伝性、不治の業病として、ハンセン病が世間から恐怖されていたのは政府が警察を使って強制収容、隔離、死ぬまで解放しなかったからだ。が、実際には、伝染力は弱く遺伝性はなかった。
 「世にライ家族程、秘密を保ちつづけて、苦しみ、悩むものはない」と書いたのは、林力原告団長(92)の父親・山中捨五郎さんである(『父からの手紙』)。20年ほど前、林さんが勤めていた北九州の大学へ講演に呼ばれてその本を頂き、初めてハンセン病家族に対する国の責任を知った。
 ハンセン病患者は、家族に迷惑をかけないために偽名を使うのだが、山中捨五郎(なんと悲惨な名前だろうか)さんは、家族の被害を「惨事」と書いていた。発見された患者は、犯罪者のように警察に引き立てられ、家は消毒され、村八分に遭った。林さん自身、長い間、父親のことを隠し続けていた。しかし、部落解放運動のなかで自分の出自を宣言する人たちに出会って『「癩者」の息子として』を上梓した。勇気の要る行動だった。
 人間が人間のいのちを自分とおなじように大事に思う。差別をなくすために、国もハンセン病家族の訴えを率直に認めてほしい。

 

認めるところからすべては始まる。
過去を学ばない、認めない者は、過去と同じ過ちを繰り返す。

『同朋新聞』 2017年5月号 「時問自問う」に文章を載せていただいています。
昨年4月、「第10回 真宗大谷派 ハンセン病問題全国交流集会」に参加させていただいたときのことを書いています。
第9回集会(2013年開催)の際、上記「東京新聞」コラム執筆の鎌田慧さんから講演いただきました。あれから4年。ハンセン病元患者さんやそのご家族を襲った惨事の傷は、未だ癒えていません。小泉首相が謝罪して、あれで謝罪は終わったというような言い方をする人もいます。けれど、謝罪して終わるのではなく、謝罪してから始まることもあるのではないでしょうか。それから築かれる関係がある。
そういえば、集会に参加させていただけたおかげで出遇えた方々がいます。国も、人間に、いのちに出遇うためにも、訴えに耳を傾け、認めてほしい。
ハンセン病に関することだけでなく、世の差別は「人間が人間のいのちを自分とおなじように大事に思う」ことの欠如から来ているように感じます。その欠如の根っこは、自分が自分自身を大事に思えないところにあるのかな…

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