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2017年2月 2日 (木)

「これから」が「これまで」を決める

共にその先へ 相模原殺傷事件・半年 (上)
相模原の障害者施設殺傷事件が、「共生」を掲げる社会に与えた衝撃は大きい。事件は私たちに何を問い掛けるのか。私たちは事件から何を学ぶべきなのか。
インタビュー 作家・高村薫さん
〔「東京新聞」2017年1月27日(金)より〕

元来、人間は手前勝手で多くの負の感情を持つ存在だ。それを意志の力で抑え込む「良識」によって秩序を保ってきた。だが今はヘイトスピーチのように、一昔前ならば絶対に許されないことが公然と語られている。そして政治家の問題発言も見過ごされる。たがが外れ「赤信号もみんなで渡れば怖くない」という状況だ。社会の底が“完全に”抜けてしまった。
資本主義に基づくシステムがうまくいかなくなったと痛感する。代替策がない以上、格差も貧困も広がり続ける。世界中で同じ現象が起きており、明るい兆しはない。時代は“完全に”変わった。そのことをしっかりと認識する必要がある。

上記引用中 “ ” は私が付けました。
“完全に”と言わなくても、文章は通じます。けれど、“完全に”が付けられています。文章を、ことばを大切にされる高村薫さんです。“完全に”と言い切れるためには、そこに完全性が必要なことを、彼女はよ~く知っているはず。つまり、“完全に”などと簡単に書けることではないことを、誰よりも知っていることでしょう。にもかかわらず“完全に”と言われることに、重たい響きがあります。
「現代が、今までと変わりつつある」のではなく、「完全に変わってしまった」のです。
「今まではこうだった(良かった)」ではなく、完全に変わってしまったところに立って、「これから」を考えないといけない世の中なのですね。

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