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2016年10月20日 (木)

ことばに夢をのせて

NHKの新しい朝ドラ「べっぴんさん」が始まって3週間経つのに今更ながら、前の投稿は前作「とと姉ちゃん」について書き、今回は前々作「あさが来た」をふまえて書かせていただきます。

波瑠さん演じた白岡あさのモデルは、広岡浅子さんでした。広岡さんは、銀行・生命保険会社を起業した実業家であり、日本最初の女子大学を作った教育者でした。
もうドラマの内容も頭の中で薄まってしまいましたが、ドラマ終盤、女性が学べる学校の設立に苦労される姿が描かれました。
女性が学校に行って学ぶことに何の不思議もない現代日本の視線でドラマを見ていると、幕末から明治・大正時代の頃、こんなにも女性が外で働くこと・学ぶことが非難の目で見られる時代だったのだなと、あらためて感じました。それは、戦中戦後を描いていた「とと姉ちゃん」でも同じで、現代もまだなお女性が働くこと・学ぶことに充分な理解があるとはいえない状況があります。
ドラマを見ていて、ひどい時代・無理解な時代だなぁと思いつつ、自分はどうなのか?と問わずにいられないわけで、「自分は理解がある」なんて思い込んでいる方が危ういのです。

そんなことを感じながら、ドラマを見ている頃、雑誌『AERA』の「表紙の人」という頁が目に留まりました。
その号の表紙は、マララ・ユスフザイさん。2014年10月 ノーベル平和賞を受賞されたパキスタン生まれの女性です。

女子の教育を全面禁止した武装集団パキスタン・タリバン運動の支配下で「女の子も勉強したい」と声を上げたことで、銃撃された。(中略)

世界ではまだ、6600万人以上の女の子が学校に通えずにいる。開発途上国では無数の女の子たちが、ただ女子だというだけで男子と同じ食べ物を与えられず、親の借金のカタに売りとばされ、家事や農作業を押し付けられている。

「同い年の親友に大胆で自信にあふれた子がいました。医者になりたいという夢を抱いていましたが、夢のままで終わりました。12歳で結婚させられ、彼女自信がまだ子どもの14歳なのに、息子を出産しました」
(ノーベル賞受賞演説から)

銃撃のフラッシュバックもある。でも、こう繰り返す。

「私は教育を受けられない女の子の代表。私の究極の夢は、すべての子どもが学校に行くこと」

『AERA』2015年12月14日号の「表紙の人」より

ドラマを見ている頃に、上記の頁が目に留まり、女性が学ぶことも許されない現実は、過去の話ではなくて、現在只今も続いている話なんだと、ドラマと記事が重なりました。
マララさんのいのちがけの訴えにも、「彼女は恵まれた環境にいるのだから、何でも声に出すことができる」などという批判を目にしたこともあります。いのちがけで、勉強をしたい、学校で学びたいという声を上げたことに変わりはありません。けっしてよその国の出来事ではなくて、日本にも通じている話です。

彼女が究極の夢だと訴える「学校に行くこと」。日本では、ほとんどの子どもが学校に通えるのに、せっかく行けた学校で、学ぶ場で、どうしていじめがなくならないのでしょう。
人と人とが同じ場に身を置くわけですから、気が合う者もいれば、気が合わない者もいます。それは避けられないことです。それならば、気が合わないその当事者どうしが距離を置けばいいだけの話なのに、仲間を見つけてグループを作り、気の合わない相手を排除する。どうしてそこまでするのでしょう。グループに引き込まれた者も、「あなたは気が合わないかもしれないけれど、私はそうは思ってないから」と言えば良いのに、グループ化して、相手をいじめる行動に出てしまう。誰だって始めから いじめること、いじめられることが目的で学校に行く人はいませんよね。
マララさんが夢描いている学校という場は、そんな場ではありません。
6600万人以上の女性が学びたくても学べない、日本は学べる環境にあることを感謝しなければいけませんね・・・なんて話ではなくて、学びたくても学べない子どもたちにとって、学校は夢の場所なんです。そこ(学校)に身を置いている者は夢見る場としての学校を形作る一員(一因)です。私がいる場所は、かつて夢を描いていた人たちがいてくれたおかげで、現実の場となっている。その場を、今も夢見て必死に生きている子どもたちがいる。そのことを忘れてはいけない。

マララさんのことばです。
「一人の子ども、一人の教師、一冊の本、そして一本のペンが、世界を変えるのです!」
ペンは武器ではありません。ペンで平和を描いて生きましょう

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