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2016年9月 1日 (木)

2016年9月のことば

北海道・岩手県で浸水被害を受けた皆様にお悔やみ申し上げます。
台風10号接近前の予報では、未知数な点が多く、不気味な台風でした。
実際、関東ではそれほどの被害はありませんでしたが、北海道や岩手県では浸水被害があり、お亡くなりになった方もいらっしゃいます。同じ台風でも、「たいしたことなかったね」という地域もあれば、辛い想いをさせられている地域もあります。ホッとする気持ちと、悲しい気持ちは、同時に起こっているものです。
私のホッとの背景には、辛い想いをしている他者(ひと)がいることを、
悲しい気持ちのそのときに無事な人がいることは、困っている人に手を差し伸べる力を持つ人がいるのだということを、忘れないでいたい。

   

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 子どもを守る者はすべてを守る。
 子どもを守らない者は何ものをも守らない。
                    むのたけじ

お子さま
娘から質問を受けました。
「どうして“子ども”のことを、“お子さま”って言うの?」
少し考えて応えました。
「“おかげさま”ってことばに似ているね。
“おかげさま”って、私たちを生かしてくださっている見えないはたらき、“かげ”なるはたらきに対して、「ありがとうございます」という感謝の気持ちを表わす“お(御)”と“さま(様)”を付けたことばなんだよ。
だから、“お・かげ・さま”って言うんだ。“お子さま”も、“子ども”のことを大切に想うから、“お・子・さま”って呼ぶんじゃない?」
とっさの返事にしてはなかなか良いことを言っているなと自画自賛しているのは私だけで、娘は既に他のことに興味が行って、聞いていませんでした。

考えてみれば、「お父さま」「お母さま」「お祖父さま」「お祖母さま」「お嬢さま」「お代官さま」など、いろいろな「お〇〇さま」があることに気が付きました。でも、それらは敬称としてのことばで、「おかげさま」「お子さま」に関しては、もっと深い意味・広い意味が含まれているように感じます。「あぁ、自分のはからいを超えた力を、今いただいているなぁ」と、こころの底から手が合わさるような感謝の気持ちが湧き起こったからこそ、「おかげさま」「お子さま」ということばとなって表われたように感じます。

むのたけじさん
2016年8月21日 むのたけじさんが還浄されました。101歳でした。
1915年秋田県六郷町生まれ。朝日新聞従軍記者としてインドネシアへ。しかし、戦地からの記事が日本の新聞に載ることはほとんどありませんでした。戦時中、日本の報道機関は、日本の戦況が不利な状況にあることを伝えず、真実を覆い隠した報道をしました。ジャーナリストとしての役割を果たせなかった戦争責任をとる形で、1945年8月15日、敗戦の日に退社。1948年、郷里の横手市で週刊新聞「たいまつ」を創刊。ジャーナリスト活動を続け、著述や講演活動を通して反戦平和を訴え続けられました。

2年前の夏、むのさんの講演を拝聴する機会がありました。息子さんに車イスを押されながら登壇されたのですが、お話が始まると立ち上がり、大きな声で反戦平和を訴えられました。1時間半にわたって、現在の日本・世界に対する危惧や怒り、若者に対して「このような日本にしてしまって申し訳ない」という反省の弁と、新しいエネルギーが湧き起こっていることに対する喜び・感動・期待の声を伝えてくださいました。伝えたい想いがあってこそ、他者(ひと)に伝わるのだということを、その姿を通して 学びました。遺された者が頑張らなければいけません。むのたけじさん、ありがとうございます。

むのさんが、未来を託す子どもを見る眼について語ったことばがあります。
「相手と本気で付き合いたいなら、おなじ目線が必要です。子どもは一人の人格を持った独立した人間とみて付き合い、導くべきです。幼い子もまた人類を構成する大事なひとつのかたまりで、それが人類の根幹である」
(『週刊金曜日』 2016年7月15日号より)

子どもを、大人が育ててあげなければいけない対象として見るのではなく、対等の一人格者としてお付き合いをしなさい、と。今年の7月に発売された週刊誌で語っておられます。101歳になり、経験を重ねた者として上から目線で語るのではなく、幼いいのちもまた、この人類を、地球を構成する根幹であると言い遺されました。
「子どもを守る者はすべてを守る。子どもを守らない者は何ものをも守らない。」(『詞集たいまつⅠ』 評論社)
子どもは、守ってあげる存在ではなく、一人格者として付き合う存在。同じ目線で付き合うことを通して、すべてのいのちが繋がっていること、その根幹に子どもがいることを教えてもらえる。いのちの根っこに「お子さま」がいて、「おかげさま」で生かされています。南無阿弥陀仏

   

掲示板の人形

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白磁の、ライオン・キリン・サルです。
あれ? サルを「おサルさん」と言うことはあるけれど、「おライオンさん」「おキリンさん」ということはありませんね! 何ででしょう? 

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