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2016年3月 1日 (火)

2016年3月のことば

3月に入りました。だんだんと暖かくなるのは嬉しいですが、花粉症の季節ですね。
つらいつらい

   

2016年3月のことば
今日という日は、あなたの人生の残りの、最初の一日
チャールズ・ディードリッヒ

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朝(あした)には紅顔(こうがん)ありて
今月のことばに出遇い、室町の頃、蓮如上人(本願寺第8世)が説いてくださったことばを思い起こしました。
「朝には紅顔ありて夕べには白骨となれる身なり」
朝には夢と希望に満ち溢れていても、夕方には白骨となることもあるいのちを生きています。
いのち有るものは、やがていのちを終えるもの。そんなことは、誰もが分かっている。しかし、高をくくって生きている。まだ先のこと、今は考えたくない、そんなことを考えるなんて縁起でもない・・・。有限ないのちを生きていることを、こころのどこかで自覚しながら、いのちを浪費しているわたし。
有限なるいのちを生きている。その自覚を促すならば、「最後の一日」と表現したくなるけれど、今月のことばは、「最後の一日」ではなく、「最初の一日」と語りかける。

今日という日は、最初の一日
チャールズ・ディードリッヒ(Charles Dederich)という方は、アメリカの薬物中毒患者の救済機関・施設であるシナノン(Synanon)の設立者です。
薬物に依存してしまうと、高い確立で再犯を犯します。依存者が精神的に弱いからだという方もいますが、私はそうは思いません。初めて薬に手を出すときは、興味であったり、すぐに止められると高をくくったり、いろいろな理由があります。しかし、再び手を出してしまうのは、突き詰めれば、孤独な現状から逃げたいという衝動に駈られるからです。
非難されるべき行いをしてしまった者に対し、世間の目は冷たい。あれだけ持ち上げておいて、見限るときはあっさりしたものです。今、わたしに手をさしのべてくれる人はいないという孤独感と恐怖心。「精神的な弱さ」というと、特定の誰か、私ではない誰かを想定して言っている気がしますが、孤独感や恐怖心は、誰もが感じうるものです。「自分は薬なんかに頼らないよ」なんて、高見に構えて言えることではありません。
「ダルク」という、薬物依存症からの回復を目的とした民間施設があります。「ダルク」では、依存症の方々が毎日ミーティングを行うそうです。同じ経験をした者・同じ想いをした者どうしが語り合い、孤独ではないことを知る。自分は、目の前の人のためにも生きなければいけないんだという想いを抱いて、薬物依存からの脱却を目指します。
薬物中毒患者の救済機関・施設の設立者であるチャールズ・ディードリッヒが発したことば、「最初の一日」には重さと輝きがあります。薬物依存者に対し、今までのことを背負い込んで回復を目指すのではなく、「新しい1日を迎えて、今日を生きよう!」という想いが込められているように感じます。

いつもはだか
人間は、経験や自信を積み重ねて人生を歩みます。洋服を着飾るように、肩書きや役職や役目で自分の見栄えを良くしようと努めます。
今まで積みかさねてきたものを無かったことにすること、自分が身につけたものを脱ぐことは、とても恐いことです。しかし、「最初の一日」ということばの響きは、「何も持たずに」と聞こえてきます。「はだか」という詩を思い出しました。

 はだか    武部勝之進
  いつもはだか
  いつもはだか
  はだかで出発する
  尊いことだ

経験を積むと、物事に取り掛かる前に「無駄なことだ」「やめておこう」「意味がない」と判断してしまう。
肩書きに身を包むと、目の前の人を、自分より上か下か、役に立つか立たないか、価値判断をしてしまう。
人間は、経験や肩書きに身を包むと、ものを見る目が冷めてしまい、いつの頃からか感動することを忘れてしまいます。
「はだか」だと、見るもの聞くもの触るもの、経験すること、すべてが初めてのこと。そこには感動や驚きや疑問が生まれます。日々感動、刻々感動。生きている実感が生まれます。はだかで出発する 尊いことだ!

一期一会(いちごいちえ)
茶道で大切にされていることば「一期一会」。
おもてなしをする際、「目の前の方と会うのは、今生においてこれが最後かもしれない。そのような気持ちでおもてなしをしなさい、目の前の人に接しなさい」という教え。私も、「今生で最後」ということを意識していました。
しかし、「最初の一日」ということばに出遇い、想いました。「目の前の方にお会いするのは、これが初めて。人生において出会うことのない人がはるかに大勢いる中で、この人にお会いできた!」ということだと。
たとえ毎日顔を合わす人であっても、会う度に初めての出会い。「この人は、どういう人なんだろう?」。出会う度にはじめましてが「一期一会」。
有限なるいのちを生きている。「いのちを大切に」ということは、いのちを傷つけないということだけでなく、はだかで出発すること。感動を持って生きること。

   

掲示板の人形
3月3日までは、おひなさま(上記掲示板の写真)を飾って、
3月4日からはウサギさん。坊守が、京都駅前にあるお店で買ってきました。
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コメント

遅くなりましたけど、今年も宜しくお願いします。
今月の言葉も素敵ですね。
年をとればとるほど過去のしがらみがついて、何もできなくなります。はだかで出発する…良いですね。
息子を見てると産まれたばかりの綺麗な心に
胸をうたれます。
息子からもブログからも感動を頂いてます。
今年もブログを応援させてくださいね。

☆Kさんへ
こどもたちから教わることって、たくさんあります。
大人になると、計算なんてないつもりでも、ちゃんと計算してますからね。いやだ いやだ(笑)
ブログを応援してくださって感謝です。
感情のまま書いているので、お恥ずかしくなりますが、コメントくださるKさんに感謝です。ありがとうございます。

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