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2016年1月 5日 (火)

良薬口に苦し

咳が一ヵ月ほど止まらず、年明け最初の月曜日、内科に行ってきました。
待合室で「朝日新聞」(2016年1月4日朝刊)を読んで待っていました。
鷲田清一先生(哲学者・京都市立芸術大学学長、大谷大学の教授もされていました)が一面に毎日(なの?)書かれている「折々のことば」が目に留まりました。

理解できるような助言はきかないこと…ぜんぜん役に立たないにきまっているわ!  ルーシー

なぜ役に立たないか・・・助言をされても、自分の良いようにしか解釈しないからでしょうね。
助言そのものに問題があるのではなくて。
「理解できるような」ということは、「納得できる」こと、「うんうん、それは分かる」と頷くこと。つまり、自分の正当性を認められることばは受け入れ、自分が否定されることばは受け入れないということ。それでは、助言にも何にもなりません。「ぜんぜん役に立たないにきまっているわ!」

2015年暮れに、今どき珍しい上から目線のお父さんの人生相談が、ネットで流れていました。
「子は親に従うもの、妻は夫に従うもの。強い人間になるように、厳しく子どもを育ててきました。その子どもが、引きこもりになりました。お父さんの厳しさに問題があったんだという息子のことばに納得がいきません。知識人と呼ばれる先生方のご意見を伺いたく、筆を執りました」というような内容だったかと記憶しています(私の記憶で文章を書き起こしたので、このお父さんの筆ではありません)。
失礼ながら、おそらく、このお父さんは、誰から、何を言われても変わらないだろうなと思いました。人生相談の応えも、自分なりに解釈されるのではないでしょうか。

以前にも当ブログで書きましたが、以下のエピソードが思い出しました。

和田 稠(しげし)先生ご存命のとき、
『NHKで、法律相談の番組(「バラエティ生活笑百科)があるでしょ。漫才師が、漫才で問題を相談して、それに弁護士が答えるの。で、最後に司会の笑福亭仁鶴さんが相談者に対して、「参考になさってください」って言います。「参考にする」って、「自分にとって都合のいいように聞く」ってことですよ。相談した人は、自分が良くなるために、相談してくる。それで「参考にしてください」っていわれたら、自分にいいようにしか解釈しないでしょ。私たち、自分に良いようにしか聞けんのですよ』
という話を、満面の笑みでお話くださいました。

自分に良いようにしか聞かなかったら、本当の意味での助言にも参考にもなり得ません。
良薬口に苦し・・・自分にとって厳しいことばにこそ、ちゃんと受け止めれば、わたしを助けてくれます。と、想います。

今年は、「見ざる 言わざる 聞かざる」ではなく、「見でござる 聞くでござる 物申すでござる」で行こうと考えています(年賀状にそんな絵を書けば良かったと、年が明けてから思いつきました。残念)。
ちゃんと見て、ちゃんと聞いて、ちゃんと語って。一方通行ではなく、キャッチボールで(私の苦手なことだ・・・)。
あぁ、厳しいことばも助言たり得るけど、厳しいことばをかけてくれる人をブロックしてしまうのではなくて、会話を続けることが、助言(わたしを助ける原動力)となるんだ!!

さて、ことばの主「ルーシー」って誰だろう?と思ったら、スヌーピー(マンガ『ピーナッツ』)に出てくる、おしゃべりな女の子だそうです。鷲田先生がスヌーピーを読んでいる姿を想像して、ちょっとクスッと笑ってました。病院の待合室で。
いただいたお薬は甘くも苦くもありませんが、咳は少し落ち着きました。皆様、おからだお大事に。

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