一如のいたみ④
④私のこころの天秤は…
ジャータカ物語の「行者とタカ」。この行者がブッダの前世です。ハトを助けようと思いながらも、こころのどこかで、ハトのいのちは人間よりは軽いと見くびっていた行者が、まさに身をもって、どのようないのちも、すべて同じ重さ(いのち)であることをさとったのです。
ハトのいのちと自分のいのちを比べたとき、誰もが自分(人間)のいのちを重く考えるのではないでしょうか。あるいは、自分の体の一部を天秤に乗せれば、ハトと釣り合うと考えるのではないでしょうか(実際に身を刻む人はいないでしょうが)。
しかし、そうではなかったのです。全身を投げ出して、そうしてやっとハトと同じいのちであると知られるのでした。
海外での有事、たまたまそこに居合わせた日本人のいのちと、そこに住む人々のいのち。どちらも同じいのちです。
身内・知り合いのいのちと、身内でも知り合いでもなかい人のいのち。どちらも同じいのちです。
恐ろしいことに、私のこころの天秤は、自分に近い者のいのちを重たい方に位置づけてしまうのです。
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