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2012年5月 7日 (月)

ことばに出遇い 人に遇う

寺報(ペーパーメディア)の整理をしました。毎月発行で今月は165号、14年弱になります。ファイリングしてあるものを、1号から見直してみました。
「10年ひとむかし」と言われるように、10年も経てば いろいろなことが変化しますね。はじめはワープロで作っていましたし、文章やレイアウトもも硬い硬い。時代背景・社会状況も変わったなぁと感じます。

見直していて目に留まった ことば たち

人は、笑顔の中に どんなにたいへんなことがあっただろうか

門徒さんに文章を書いていただき、その文中に出てきたことば。
お子さんを亡くされ、先の見えない悲しみの暗闇の中で、親鸞聖人のおしえに出遇われました。
悲しんでばかりいたけれど、亡き子は、私に仏法に出遇わせるために、我が身をもって諸行無常の理を教えてくれました。そのように思えてから、笑顔が出るようになりました。でも、人の笑顔の中には、誰もが悲しみを抱えているのですね。そのことに気付かせていただきました、と。
「人は、笑顔の中に どんなにたいへんなことがあっただろうか」という ことば をいただき、私は、親鸞聖人のおしえの真髄がここにある!!と感じました。今でも大切にしている ことば です。


事件とか悲しいニュースとか、その責任追及をするのではなくて、自分の内面に責任とか原因の一端があるんじゃないかと常に感じていたい(Mr.children 桜井和寿)

ミスチルのボーカル 桜井さんが、ニュース23に出演していたときに話していた ことば。
事件や事故が起きたとき、報道も世論も、その犯人捜しに躍起になり、犯人が分かれば 非難を浴びせます。
たしかに、事件・事故を起こした事実は消えないし、許されることではありません。でも、私たちは、歩んできた道がちょっと違えば、出会う人々がちょっと違えば、行動を起こすタイミングがちょっとずれていれば、それだけのことで被害者にもなるし、加害者にだってなり得る。誰もがみんな。そんな当たり前のことを忘れて、罪を犯した人間を責めるだけ責め立てる。どこにそんな権利があるのでしょうか。そのように私は思っています。
桜井さんは桜井さんの意図・想いがあって、この ことば を発したのでしょうから、私の想いとは違うかもしれません。しかし、桜井さんの ことば に共感し、ことば を掲示しました。
ある日、ひとりの女性が寺を訪ねました。毎日バスに乗って西蓮寺前を“通過”しているとのこと。しかし、この長い ことば を、「なんて書いてあるんだろう?」と、毎日目を凝らして読んでいるうちに、「責任は自分にもある」と書いてあることに驚き、その感動を伝えに、わざわざバスを降りて寺に来てくださったのでした。もちろん、想いは私が考えていたのと同じようなこと。周りのみんなが、「犯人はひどい奴だ」と言い放つ姿に悲しさと違和感を覚えていたとのこと。そんなときに、「責任は自分にもある」と公に言ってくれる人がいて、気持ちが落ち着きました。そのことを伝えに、お寺に来てくださいました。もう少し寺でお話をして、帰って行かれました。ありがとうございます。

「ゆとり」って、時間の余裕じゃなくて こころの余裕なんだよね

朝、山門前の掃除をしているときに、ある女性に声をかけられました。毎朝顔を合わせている方でした。それまでは挨拶程度で、話をしたことはありませんでしたが、初めて話しかけられました。
「今月のことばを見て、こころがホッとしました。なにか時間に追われて、焦ってばかりいました。世間では“ゆとり・ゆとり”って言うけれど、全然“ゆとり”なんかないし。それで、追い詰められた感覚になっていたときに、この ことば に出あいました。時間的ゆとりばかり考えていたけれど、気持ちの余裕なんですね、“ゆとり”って。そう考えられるようになってから、なんだか“ゆとり”が生まれました。あせったときには、ことばを思い出しています。ありがとうございます」
その後も、この ことば の話をしたものですが、最近お会いしていません。元気でいらっしゃるでしょうか。


目に留まった ことば たちと書きましたが、ことばを通して人に出遇っていました。
ことば から教えられることがあるというよりも、ことば が出遇いを紡ぎ出してくれます。
寺報の歴史は、出遇いの歴史でした。有り難いことです。南無阿弥陀仏

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