今だからこそできること
王貞治さん(現ソフトバンク球団会長)のことば
「若いときにベテランの知識があれば、何本ぐらいホームランを打てるのか。そういう話題になって、『それは無理』と。『若い時は体で打ち、年を取れば知識で打つ。その時々にしか出来ないことがある』」
(2012年5月8日 読売新聞朝刊「Gの群像」より)
含蓄がありますね。
スポーツ選手に限らず、仕事でも勉強でも、若いときは体が動くし、年を重ねたら知識と経験で事を成せる。
子どもは、ちっとも休まずに動き続けます。その姿を評して「あれだけの運動量で働けたら、何億円も稼げる」と言われた方がいますが、当然、幼いときにビジネスはできません。
仕事をはじめた頃は、仕事を覚えることや人脈作りで精一杯。
仕事を覚え、人脈も出来た頃には、昔のように体が動かない。
でも、その時々で出来ることを、その時においては一生懸命にやっているんですよね。
肝心なのは、体の動きが落ちてきたときに、若いときと同じ事をしようとしないこと。それこそ、本当に知識や経験を積み重ねたのであれば、自分のスタイルを変えるとか、他の人の手を借りるとか、そういうことが出来るはず。
経験を積み重ねた知識と、若いときの体で動けたら…
仮に、そんな夢みたいなことがかなったとして、何本ぐらいホームランが打てるか。おそらく、まったく打てなくなると、王さんは感じていたのでしょうね。知識に体は対応できないし、体が動こうとするときに知識が邪魔をしてしまうから。
今の体と知識で、出来ることを懸命に努めたい。
今しか出来ないことは、未来にはないのだから。
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