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2012年2月25日 (土)

亡き人に遇い、自己に遇う(廣瀬 杲先生お別れ会)

2012年2月22日(水) 廣瀬 杲先生 お別れ会 参列
京都大谷大学講堂にて、廣瀬 杲先生のお別れ会が開催されました。先生の教えを受けた聞光学舎の方々主催です。その先輩方と比べると、私は教えを受けたと言えるほどのものではありませんが、お別れ会の席に加えさせていただきました。
先生のご子息 玄様が、先生がお亡くなりになるこの2年ほどの先生のご様子をお話くださいました。先生のお姿が目に浮かび、涙がこぼれました。懐かしさ・無念さといった涙ではなく、私は、先生の何を見てきたんだろう・何を感じてきたんだろうという、自身に対する悔しさを感じていました。

かといって、生前「もっと聴聞しておけば」「もっと話していれば」「もっと一緒に吞んでいれば」といったことは感じない。そういう後悔は尽きないし、亡き人が身をもって示してくださった“生あるものはいつか滅びる”という身の事実を踏みにじることになると思っているから。
出遇えた事実に感謝し、今まで受けた教えを噛みしめ直したい。そう思うばかりである。(そう思うようにしている、とも言えるかもしれない)。

お別れ会に参列して、大学の先輩・後輩に久しぶりにお会いし、同じ東京教区人なのに、普段なかなか会えない人と会ったりもした。
亡き人との別れの場は、あらためて人と出遇い直す場なのだと、強く感じる。亡き人とだって、出遇い直せる。

先生がお亡くなりになってから、思い起こされたことがある。震災後の原発事故があるからだけど。
先生は一時期、ある新聞の一面記事の内容をよく語られていた。
その内容とは、「原発が建っている地域には老人を住まわせよう」というものだった。ハッキリ覚えていないので、どこの新聞だったかは書かないでおきます。
原発の事故で放射性物質があふれ出し、今後どのような影響が出るのか分からない日常を、今、私たちは生きています。しかし、被爆した影響が出るとして、それは数年後・数十年後のことと言われています。つまり、お年を召した方は、影響が出る前に寿命がくるということです(文章を打っていて、とても失礼なことを言っているような気がしてきました。申し訳ありません)。ですから、原発の事故など起きないように努めるけれど、もしもの時のために、原発の周辺にはお年寄りが住めばいいというような記事だったと思います。住めばいいという提言なのか、そういうことを政府が考えているという報告なのか(そのことに対する賛同なのか反対なのか)…そういうことは全く覚えていませんが、そのような記事が新聞の一面に載っていたと、先生が驚きと憤りをもって話しておられました。そのときのことを、最近思い出しています。

さて、その新聞の内容云々ではなく、
先生が話しておられた内容が、上記の通り私はうろ覚えなのです。つまりそれは、原発にまったく興味・関心がなかったことの表われです。今ならば、誰かに言われるまでもなく、注目するのでしょうが。
無関心ということの罪深さを思います。それとともに、関心を持つということには、人を想う気持ちが共なるのだなということを感じます。つまり、無関心とはどんなに人を想わずに生きているのかということです。

廣瀬先生は、大学の先生として生徒に向かい合うだけでなく、老若男女問わずあらゆる人々と向き合っておられました。差別を受けて苦しんでいる人とも、直に接し、直に語り合い、人と出遇われていました。そのような先生だから、上記の新聞記事が目に付き、許せず、声を大にして訴えておられたのだと、今更ながら感じます。

亡き人とも出遇えるのが、お別れの場だと書きました。しかし、そこで留まっていては、出遇ったとは言えませんでした。亡き人との出遇いを通して、自己に遇う。そこで初めて亡き人とも、私とも出遇えたと言えるのだと想います。涙の意味は、そういうことで。

久しぶりの京都は日帰りです。お別れ会が終わり、京都駅に向かいました。地下鉄「北大路駅」から「京都駅」まで乗っていまえば、外に出ることもないのですが、東本願寺の前を歩るこうと思い、「五条駅」で降り、地上に出ました。歩いていると、ポツリポツリと雨が降ってきました。東本願寺はすでに閉門されていましたが、門前で手を合わせ、雨に濡れながら京都駅に向かいました。

帰りの新幹線 参列者に配られた 廣瀬先生が書かれた『滴々抄(てきてきしょう)』を読ませていただきました。
そこには、他者を問うことばではなく、自己を見つめる眼がありました。
南無阿弥陀仏

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