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2012年1月17日 (火)

がんばろう わたし

2012年1月17日 阪神淡路大震災から17年経ちます。
京都大谷大学を卒業し、春には東京に戻るというとき、京都で この揺れを体感しました。

たしか、プロ野球のオリックスブルーウェーブ(当時)が、「がんばろうKOBE」を合い言葉にシーズンに臨み、リーグ優勝を果たす活躍をしたと記憶しています。昨年は、東北楽天ゴールデンイーグルスが「がんばろう東北」を掲げて試合をされていました。  
 
「がんばろう」について、いろいろと言われることが多くなった気がします。「すでにがんばっているのだから、これ以上言わないでほしい」「ボランティアにいく際、“がんばろう”は禁句です」など。
そんなに嫌うようなことばなのだろうか…。これだけ いろいろ言われることばも珍しく感じます。
 
たしかに、「これだけがんばっているのに、これ以上なにをがんばれというのか」と言われたとしたら、返すことことばもありません。でも、「がんばりましょう」と声をかけるときは、声をかける方もそれなりの想いを込めてのことだと思います。まるっきりこころにもないときに発せられることばではないと思うのだけど。
   
震災があってからではなく、「がんばろう」については、常々考えています。
徳永進先生(医師)のことばが、こころに残っています。

要は生きたことばになっているかどうかです。例えば「弱音を吐いちゃダメじゃない。頑張りましょう」という言葉がありますよね。マニュアルでは末期の患者にそういう安易な励ましはダメだと言われています。でも、そういう言葉を言った医者の誠意とか真剣な姿が患者さんに見えているならば、それは言葉として生きていくものだと思うんですよね。そしてそれが本当の言葉でしょう。
本当の言葉は、その背景の心深さがあればどんなことばでもOKなのに、今の私たちはどちらが正しいか決めようとしている。

(真宗大谷派宗務所発行 「同朋新聞」 2010年11月号)


お互いの関係性があれば、本来、どのようなことばを使ってもOKのはずなのに、それが許されない。
関係性を築くのは、かくも難しいものだろうか。うん、難しいとは思う。
つながりを鬱陶しく思いながらも、つながりを求めてもいる。傷つけないことばを使いながら。いえ、傷つけないように気を遣いながら。そういう姿勢の表れが、「がんばろう」を言わないことなのだろうか。
    
「がんばろう」に限らず、使っていいことば ここではダメなことばって、自分で判断するべきことだと思う。こういうことまでマニュアル化されている現代を憂う。
 
1年前、藤川幸之助さん(詩人・児童文学作家)のお話を聞きに行ったとき、以下のようなことを言われていました。
藤川さんには、認知症のお母さんがいらっしゃいます。そのお母さんとのやりとり(介護)を通して、ことばもない母の息づかい・考えていることを感じられるようになってきた。お母さんがしてほしいことを感じ、手をさしのべられるようになった。そのことが、お母さんの要望と合っているのか否かはわかりません。でも、人のこころを感じる、察することができるようになった。こういうときは 何をすればいいか、こういうときは何をしてほしいか、感じ、対応できるようになりました、と。そして、そのような母とのやりとりのことを講演でお話をしたら、ある施設の方が、「うちにはキチンとしたマニュアルがあるから大丈夫です」と言われたとのこと。
藤川さんは思われたそうです。人の息づかい・想いを感じた人が、こういうときは 何をすればいいか、こういうときは何をしてほしいかを考え、身を動かしてきた。最初にマニュアルがあって、そこに書いてある通りに動くのとは、結果的にやっていることは同じかもしれないけれど、でも、違うんだ。と、仰っていたのが印象的でした。
  
人と人とのつながりの中で、「言っていいことば」なのか、「今は言わない方がいいことば」なのか、「言ってはいけないと言われていることばだけど、今なら言っていいんだ」なのか、判断すべきことだと思うのです。
はじめに これはダメと、マニュアル化されたうえで、人間の関係性を構築していくと、どうなるのでしょう。
マニュアルにない現実に直面したときに迷いが生じます。
マニュアル通りに行動したのに、それ以外の反応があったときに戸惑うことでしょう。
いい関係を築いているつもりでも、ちょっとしたことで崩れ去ってしまうかもしれません。
   
他者(ひと)を想い、ことばをかけ合う。 
災害時だけのことではありません。常日頃のことだと思います。

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