砂と波とを感じながら
海に行きました。
砂浜を、波を受けるか受けないかのところを、ゆっくりゆっくり、砂と波の感触を確かめながら歩きました。
波は、ひっきりなしに、寄せては返し 寄せては返ししています。
波が打ち寄せ、ひいていく。その度に、砂浜の風景は変わります。海の中で磨かれてスベスベになった貝・石・木。波が打ち寄せ、ひいていく。今まであったものが消え、今までなかったものが現れる。その連続が、休むことなく営まれています。
消えたり現れたりの変化。気にしなければ、まったく気にならないだろう。でも、その気にならないほどの変化を、私自身が生きている。身心も、環境も。ちょっとずつの変化を、連続して起こっている変化を、今、私は生きている。
波は、打ち寄せる波よりも、ひいていく波に力を感じる。
日常という、変化に気づかない日々の中で、不意に訪れる非日常。
非日常と言うけれど、考えてもみれば日常の一コマ。
特別なことではなかった。いつもと同じ風景に、見慣れてしまった風景に、貝・石・木以外のものが混じっただけなのかもしれない。気づいてしまっただけなのかもしれない。
貝・石・木以外のもの…タバコ・お菓子の袋・排泄物
きれいな砂浜 輝ける海 その場に身を置くと、汚すものが目につく。
誰がこんなもの捨てるんだろう。どうしてそんなことできるんだろう。
しかし、人生という大海原で、私はどれだけ汚いことばを吐き捨て、人を見下していることだろう。
きれいでありたい 輝いていたい 人生を、汚しているのは誰だろう。どうしてそんなことをしてしまうのだろう。
サクッ サクッ
ザザ―――ッ
砂と波の感触が、小さな私を、大きな世界へと導いている
一粒の砂でさえ、あの大海原とつながっている
大海原で、私は磨かれている
磨かれるということは、磨かれるほどに汚れ、角があり、とがっているということでした
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