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2011年4月 1日 (金)

2011年4月のことば

東北地方太平洋沖地震により被災されました皆様に
心よりお見舞い申し上げます
2011年3月11日 (金) 14:46 
強く、長く、大きな揺れがありました。ただならぬ気配を感じ、机の下にもぐりました。2階では孫が叫んでいます。今までに経験したことのない揺れに、何をしたらいいのか、頭も体も反応できませんでした。揺れが収まりテレビをつけると、すさまじい勢いで津波が陸地を襲っています。正直、何が起きているのか分かりませんでした。
ありきたりの言葉ですが、自然に対する人間の無力さとともに、自然をもなんとかしようとしてきた人間の傲慢さを思わずにはいられません。
今という時代に、このような惨劇が起きたこと。何を意味しているのでしょうか。私たちに何を訴えているのでしょうか。何をすればいいのでしょうか。震災から、多くのことが問われています。
しかし、日本国内にとどまらず、世界中の人々が日本のことを祈ってくださっています。今、世界がひとつになっています。独り(ひとり)ではありません。共に前に進みましょう。
 西蓮寺住職 白山謙弌(釈謙弌)
   
   
   
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 人が見えると
   憂いは 優しさに変わります

    
私は、親鸞聖人のおしえは、「ここに、人がいる」ことを目覚めさせるおしえだといただいています。
「ここに、人がいる」…なにを言っているんだと思われるかもしれません。そんなこと目覚めさせられなくても、人がいることぐらい分かっている、と。
視覚的には、人は見えているのかもしれません。しかし、本当に人が見えていると言えるでしょうか。
自転車に乗っていて、自分の前を歩く人に、「どけ」と言わんばかりにベルを鳴らす。「どうせ誰もペースメーカーなんかしてないんだから」と、優先席に座りながら携帯電話をいじる。足りているのだけれど、必要ないのだけれど、物が不足して不安だからと買いだめをする。「使える奴」か「使えない奴」か、人を資材として判断する。罪を犯したという一点だけで犯罪者を見、「ひどい奴だ」とののしる(いったいどれだけの傷を受けて、罪を犯さざるを得なかったのでしょう)。
「自分さえよければいい」という視点で生きていると、人が見えなくなるようです。
「自分さえよければいい」という思いは、憂いや不安があるからこそ湧いてくるのかもしれません。憂いや不安があるから、それを払拭しようとして自分本位に振る舞う。結果、人を人とは思わぬ行動に出てしまう。
人とは、他者だけではありません。自分も含まれます。自分で自分の姿は見えないものです。憂いゆえに、人を人とは思わぬ行動をとる私は、自分すら見失っているのです。自分も含めて、人が見えていない私に、優しさなどあるはずがありません。
しかし、この災害を縁に、多くの人々が被災者に救いの手を差し伸べています。世界中の人々が祈りをささげています。
目の前に生きている人間さえ、人を人とは思わなかった私が、会ったこともない人、災害によっていのちを亡くされた人を想い、なにかせずにおれないと思い立っています。
震災によって、今までにない憂いを抱えています。それほどの憂いは、誰だって抱きたくありません。しかし、この憂いによって、今まで見えていなかった多くの人々が見えてきました。そこに、今まで表出されなかった優しさが溢れ出してきました。
「人(いのち)」が見えるとき、憂いは、憂いだけでは終わりません。「優しさ」が生まれます。
「優しさだけじゃ、なにもできない」という人もいることでしょう。しかし、今まで見えていなかった人(自分も含めて)が見えると、人生の歩みも変わります。それぞれの歩みが変われば、必ず大きな変化が生じます。
「ここに、人がいる」という目覚めを経て、憂いが礎となった優しさを持つ人がこんなにもいるのです。必ず、復興への道が開かれるはずです。
    
    
  
掲示板の人形(Prey for Japan)
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