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2010年8月16日 (月)

終戦…?

夏になると、過去を偲び、戦争に関する映像をよく目にします。そして誰もが、戦争のない世の中を望むと口にします。

ここ数年、その光景に疑問というか、矛盾というか、恐怖というか、なんとも表現できない感情を抱いています。
端的に言うと、「戦争のない世の中を望む」と言う人間が数多く暮らしている現代日本の姿が、どうして今のような光景となって目に映っているのだろうということです。
公共の交通機関の優先席に、堂々と座る健常者(健常者という表現も、なんだかなぁと思いますが、ここでは敢えて使います)。

ゴミを捨てる場所ではないのに、ポイポイ捨てるヒト。ゴミを分別せずに捨てるヒト。ゴミを捨てる日ではないのに、捨てるヒト。

歩道を歩く人に、どけどけ!とばかりにベルを鳴らす自転車に乗ったヒト。

自分の身内の死ですら、届け出ないヒト。

子供を虐待するヒト(自分を高見に置いて、幼い子供を教育しようなどと驕るから、腹が立つのです。幼い子供も、人に変わりありません。一人の人間として接して、目線を同じくして、敬語で接してください。腹が立つことがあることに変わりはないけれど、対等に話すということを、私から実行すれば、どんなに幼い子供でも、会話は成り立ちます。虐待は成り立ちません)

挨拶できないヒト(は、沢山いますが、せめて挨拶をされたら、それに返したいものです)

給食費を払わないヒト(本当に払えない人もいることと思います。そうではなくて、個人的遊興費には惜しみなくお金を使うのに、給食費など公共のお金を使うことは出し渋る。そういうヒトは「誰々も払ってないのに、どうして私は払わなくてはいけないの?」というそうです)

なんてことを言うと、それとこれとは違うなどと言われてしまうことでしょう。
それでも、こんなことをしているヒトたち(特定の他者ではありません)が、どうして「戦争のない世の中を望む」などと言えるのか。 ここ数年、そんなことを考えてます。

それから、もうひとつ。
「戦後」「終戦」と表現し、「戦争のない世の中を望む」などという。
これは、「戦後」「終戦」ということは、先の大戦は過去のことにしてしまし、「戦争のない世の中を望む」ということは、これから起こってしまうかもしれない戦争を未来のこととして捉えていることの表われ。過去現在未来が分断しています。
夏になると、いや、夏だけ、反戦を唱える。
今、世界のどこかで起こっている争いには気付かぬ振りをする。
私が抜けているというのか、私さえ良ければいいというのか。そのような現実を感じています。

大戦は過去のことかもしれないけれど、今、私たちが生きている世界は、過去から続く流れの中に、ハッキリといます。
他国では、今、現に戦争の恐怖に怯えながら暮らしている人がいます。
戦争とまでは言わなくても、交通戦争・受験戦争・家庭内不和などと言われている現代を生きる私たちに、「戦争」が過去のことであったり、未来に起こること(起こってほしくないこと)と言えるでしょうか。

「戦争は昔のことだから、その恐さ・苦しみは、分からない」
「よその国で起こっている戦争のことは、日本で暮らしている私には分からない」
…正直な想いだと思います。口先だけで反戦や平和を訴えるよりも。
しかし、戦争を分断した考え方で捉えるのではなく、今のこととして捉える眼を持ち続けることが、大切なのだと感じています。

「ヒト」と「人間」…同じようでいて、全く違います。
「ヒト」は、関係性を生きていない、個を生きているだけの生物。
「人間」は、関係性を生きる者。
「ヒト」として生きていても、「人間」として生きていても、争いが起こることに変わりはありません。私は、関係性を生きる「人間」なんだと自覚したからといって、その自覚によって争いが無くなるわけではありません。でも、「ヒト」は、自分が争いの種であることに無自覚です。「人間」は、自分こそ争いの種であると、自覚的に感じられると思います。それにもかかわらず(争いの種であるにもかかわらず)、関係性を生きる一員でいられる。それが、「人間」なのでしょう。

戦争の記憶が薄れることが哀しいのではない。この私こそ争いの種であったという自覚が薄れることが哀しい。
「戦後」「終戦」「戦争のない世の中を望みます」…これらのことばに、どこか自覚の薄れがないだろうか。

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