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2007年1月19日 (金)

そこにあるもの

数日前の出来事です。
夜、のどが渇いたので、冷蔵庫から生茶の2リットルペットボトルを取り出し、コップについで、一気にゴクゴク。続けてもう一杯一気にゴクゴク。フーっと、ホッと一息。のどの渇きも落ち着きました。

「あー おいしかった♪」
 
少しずつ飲もうと、もう一杯コップについで、机に向かいました。
事務仕事をしながら、少しずつ飲んでいました。

少しずつ飲んではいても、やがて飲み尽くすもの。飲みながら、ふとコップの底に目をやると、コップの底の汚れが目につきました。
「なんだこれ!!」(こころの叫び)
 
そのままシンクでコップを洗うと、ほんのりリンゴのにおい。
「ゲッ、2、3日前に飲んだリンゴジュースじゃないか!?」(ボソッとつぶやき)
 
リンゴジュースを飲んだ後、コップをキチンと洗ったのですが、底がきれいに洗いきれてませんでした。
汚れたコップでお茶を飲み干した事実が、私を襲います。
「このコップでお茶3杯も飲んじゃったよ。お腹大丈夫かなぁ。なんか気持ち悪くなってきた…」(大きな独り言)
 
その晩は、事務仕事を切り上げて、ベットに横になりました。「な~んか気持ち悪いなぁ」なんて思いつつ、いつの間にか寝てしまいました。
朝、起きたときには、昨晩のことなど忘れて、気分スッキリ目覚めました。結果、なんともありませんでした。単純です。
 

 
もしコップ2杯でお茶を飲むのをやめてコップを洗っていたら、汚れには気付かなかったことでしょう。ということは、気持ちも悪くならなかったことでしょう。
でも、さんざん飲んだ後で、汚れに気がついた。その「気がついた」という事実によって、「気持ちが悪くなった」。
よほどコップが汚れていて菌が繁殖していたら、汚れに気付こうが気付くまいが、お腹は痛くなっていたことでしょう。でも現実は、お腹を痛くするほど汚れていたわけではない。ないのに、なんとなく気持ち悪くなった。
 
某お菓子メーカー(隠すこともないけれど)が、消費期限切れの牛乳を使っていた。おそらく、慢性的なことだと思う。だけど、今までお腹をこわす人や、食中毒になる人はいなかった(ですよね)。
ニュースになって、問題ありの食品を食べていたことを聞かされて、そのために「気持ちが悪くなった」人がいるんじゃないかな。
ということを、汚れてたコップ事件(大袈裟?)を通して、感じました。
 
知らなければよかった、発覚しなければよかった、報道されなければよかったなんて言ってるんじゃないんですよ。
いけないことと知りつつも、そのことを続けていた。その事実は、公となり、罰を受けなければいけないことだと思います。事件は事件として。
 
自分の身に起きたことを考えると、知ってしまったがために、具合が悪くなった、仲が悪くなった、やる気がなくなった。そういうことって、ありませんか?

見えていないという事実が、安心を与えてくれる。
でも、この方向からは見えないだけであって、ちょっと違う角度から見ただけで、物事の見え方というのは、まったく違ってくる。今まで見ていたものは、何だったのだろう!! どっちが本当の姿なのだろう!!
 
知らないという事実が、問題意識もなく生活させてくれる。
でも、私が知らないというだけであって、出来事というのは、刻一刻と進行している。良いことも悪いことも。知ったときには、遅いのかもしれない。

気付かないという事実が、平穏に生活させてくれる。
でも、私が気付いてないというだけであって、そこにある現実に変わりはない。悪い現実に蝕まれているかもしれないし、温かい慈悲に包まれながら生きているかもしれない。気付かないという不幸を生きているのかもしれない。

見えない、知らない、気付かないで生きている方が、こころは穏やかでいられるかもしれない。
でも、見えない、知らない、気付かないだけで、私の周りには厳しい現実が渦巻いている。
 
コップの底は、見ようと思わなければ、なかなか見えるものではない。
汚れが見えたなら、その原因を知ろうとするだろう。
知ったならば、自分の身に起きている事実に気付くことだろう。
そのとき、コップを洗いますか? 汚れをそのままにしておきますか? それとも、隠してしまいますか? 

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