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2007年1月 1日 (月)

2007年1月のことば

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       如来の本願は、
       風のように身に添い、
       地下水の如くに流れ続ける

                    平野 修

今、このように文章を書けることを、ありがたく思っています。ずっと続けていることは、いつのまにか当たり前になってしまいます。しかも、「自分が」書いているつもりになっているから感謝の気持ちも起きません。
昨年暮れ、「ことば こころのはな」(お寺の新聞。以下、寺報)を書き続けてきたことを振り返り、いろいろなことを思い起こしていました。元気なときばかりではありません。病気にもなりました。書くことが楽しいときもあれば、つらいときもあった。寺報を通して、たくさんの人に出会いました。寺報にお礼を言われることもあれば、苦言もあります。寺報を毎号集めてくれている人もいれば、捨てられていたこともあります。
本・新聞・テレビ・ネット・人との会話。触れるすべての事柄への接し方も変わったし、深まった。「ネタ探しをしているみたいで嫌だな」なんて思うこともあったけど、それはそれでいいこと。物事の見方が変わること、接し方が深まること、それらはすべて自分のため、自分の楽しみ。自分の人生で「やりたいことをやる」「楽しむ」って、このようなことかもしれない。贅沢なことです。
続けることができるのは、そういう縁の積み重ねがあったから。続けられなかったとしても、それは続ける縁がなかったのではない。続けられない縁があったということ。
いろいろなことがあった。その「いろいろ」があって、今の私がいる。今の物事の考え方が生まれた。今の文章が書ける。今の私を生きている。
今、文章を書いている。なんて不思議なことだろう。なんて稀なことだろう。なんて素敵なことだろう。

     如来の本願は、
     風のように身に添い、
     地下水の如くに流れ続ける

「如来の本願」とは、阿弥陀如来の願いのこと。あなたに「生きてほしい」という願い。
「死にたい」と思う人もいます。そう思ってしまうことは仕方がないことです。そう思わざるをえないことがあったのだから。でも、死んではいけない。「死にたい」と思ったなら、思いを止めてはいけない。思いにフタをしてはいけない。思い続けることで、気持ちを整理するのだから。思い続けることで、新しい想いが湧いてくるのだから。「生きよう」という新たな思いが。 
「生きよう」という想いが湧いてくるのは、この私を包み込むように、温かい風が吹いているから。この私に生命の水を流し込む清浄な地下水があるから。

生きることは、無理をすることではない。
生きることは、自分を偽ることではない。
生きることは、頑張りすぎることではない。

つらく、気持ちが沈んだときは、そのままでいい。いつか上昇気流という風が吹いて、また歩みだせる。
哀しくて泣きたいときは、思いっきり泣いていい。あふれた涙が流れ込む地下水があるのだから。つらいことがあって泣く。泣いて、泣いて、これ以上泣けないというくらい泣いたのに、まだ涙が出てくる。不思議だと思いませんか。それは、地下水からまた私に水が戻ってくるから。だから、涙はきれいで、涙流せる私のこころも清浄のまま。
上昇気流という風も、私に流れ込む地下水も、すべて阿弥陀如来の本願。「生きろ」という願い。その願いがあるからこそ、私は生きていける。
私の身に起こるいろいろな出来事が、今の私をつくっている。私の身体を、私の想いを、この私自身をつくりあげている。

     自身を生き尽そう。
     人生は信頼に値する意義がある。

                    平野 修

平野 修師(1943~1995)
石川県生まれ。真宗大谷派明證寺住職・九州大谷短期大学教授をされていました。
病気の身でありながら、命がけで親鸞聖人の教えを伝えられていました。
 
平野さんは、住職の大谷大学時代の同級生でした。同級生の死は、大きなショックを与えました。遺された者は、哀しみでとどまらず、そこから受け継いでいかねばなりません。
 
「なぜ生きなければいけないの?」
「なぜ死んではいけないの?」
その問いは、方向が違うのです。
「生きてほしい」
「自ら死を選んではいけない」
そういう呼びかけが、如来の本願が、私に届いているのですから。
 
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コメント

本日、家族全員(ワンこも)で初詣をさせていただきました。ことしもブログ、寺報、聞法会等々で「聞かせて」いただきたく、よろしくお願い申し上げます。聞かされ続けないと「本願」を忘れてしまいますから。

☆まつさん あけおめです
ご家族揃って(ワンコも一緒に)の初詣、素敵なご縁です。
本年もよろしくお願い致します。

あけましておめでとうございます。

二度目の新年のごあいさつでしょうか。
思えばおいらが最初にリンクさせていただいたのがコチラのブログでありました。
いろいろ考えさせられることが多いかつさんの文章です。
本年も変わらずよろしくお願いいたします。

☆ホッシーさん こんばんは
明けましておめでとうございます。
一年って早く感じるけれど、思い返してみると、いろいろな出会い・ふれあい・交流があるものですね。
一年経っても、またこのように交流が続いていること、ありがたく思います(ブログを拝見しながら、一緒にラーメン食べに行きたいなぁなんて思っています)。
今年もよろしくお願いいたします。

追伸
紅白、私もドリカムとスマップに感動しました。
やっぱトリですよね。

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