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2006年10月10日 (火)

いのちが見えてくる

師の誕生会があり、花を買って会場に向かいました。
花束を手に電車に乗り、駅に着くまで花と真向かいになっていました。

考えてみれば、花の一本一本をこんなに凝視することってないなぁ。
生け花を習っていた頃は、お花をどのように生けるかを考えるから、生けた全体でしか見ない。
本堂にお飾りしてある花は、お経中に目に入るぐらい。
墓地花を集めるときには、お花は枯れているし…。

花の一本一本、花弁の一枚一枚、葉の一枚一枚をジッと見たことってあるだろうか。
こんなにもきれいで、こんなにも瑞々しいんですね。驚きました。
いのちだなぁ、生きてるんだなぁって手元の花から伝わってきました。電車の中、ひとり感動していました。

花束にするということは、切られているわけですから、いのちを絶っているという見方もできます。でも、生きています。花瓶に挿して、お水をあげれば、水は減ります。ちゃんと水を吸収しているし、呼吸もしているのです。生きよう生きようとしているのです。
聞いた話ですが、ウナギを輸送する際、生きたまま輸送すると目的地に着く頃にはすべて死んでしまいます。でも、少し傷をつけると、ウナギはその傷に耐えて生きよう生きようとするので、目的地に着いてもまだ生きているそうです。
人間も、大事に大事に育てられるよりも、傷を負った方が生きよう生きようと思えるのかもしれません。

話が逸れましたが、
花を見て感じたのは、いのちって見られるんだなぁ、感じられるんだなぁって強く思ったのです。
花を部屋に飾る、植物を育てる、動物を飼う、子供を育てる。そこから何を見るか、感じるか。
「いのちを大切に」という掛け声からは、「いのち」が見えてこないのです、感じられないのです。ことばにいのちがないからです。いや、発する人間に いのち がないのです。
見る、聞く、触る、匂いをかぐ、感じる…そこにいのちが伝わってくるのです。その作業を通して、自分自身が生きてる実感が湧いてくるのです。
    
傷は、付けた方は痛みを感じない。でも、痛がっている人がいるという事実を見つめることはできる。
傷は、付けられた方はいつまでもその痛みを忘れない。その痛みを復讐という形で返すのか、他の人にはこの痛みは感じて欲しくないと思えるのか。
 
頭から いのち を叫んでも、いのちをいのちと認識できないのです。
花を見て、傷を負って、いのちを知る。いのちを感じる。
  
  
師の誕生会
プレゼントするつもりの花束から、大事なメッセージを受け取りました。

   
自分自身の肌で感じるものが
こころの中に届くからこそ
いのちが見えてくる

  大河内 祥晴さんの言葉から(大谷派「同朋新聞」2006年10月号より)

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コメント

話をそらせてしまうようで大変申し訳ないのですが、
「私の家は農家です」と言うと、「新鮮な野菜が食べられていいですね」と言われることがあります。
そのときに皆さんが思い浮かべる野菜って、スーパーでならんでいるきれいな野菜が健康的な姿になっているものではないでしょうか。

上手に育つものもありますが、見た目が悪かったり虫にかじられていたり、虫がついていたり、店頭ではクズになってしまうような野菜ばかり家では食べています。
お盆に欠かせないホオズキは、素人が育てると色はなかなか赤くならず虫にかじられてレース状になってしまうようです。
店頭にならべられている野菜や花は、生産者の苦労と苦心あっての作品だと思いますが(あるいは農薬漬けかも?)
それが当たり前の「自然の姿」だと思われたら、ちょっとアブナイ感覚ですよね。

人間は店頭にならぶ必要はないので、少しは傷があって個性があった方がいいかもしれません。

☆イモーとさん こんばんは
小学生のとき、クラスにお菓子屋さんの子がいて、「お前、いつもお菓子食べられていいなぁ」って言ったことを思い出しました。
お菓子屋さんだって、好きなときに好きなお菓子を食べられるわけではなく、食べたい時にはお金を払うわけで、かわいそうなことを言ったなぁと思います。
あっ、そういえば名前、カワイ君だったな。カワイそうなカワイ君(TT) 傷ついたかなぁ。

そうかといえば、高校生のとき、
「家、寺です」と言ったら、「墓石が安く買えていいなぁ」とクラスメイトに言われたことがあります(お墓を建てた直後だったのだろうか)。墓石、安くは買えませんから。
特に傷つきもしませんでしたが^^;

この世は誤解に満ち満ちていますね。

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