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2006年8月15日 (火)

8月15日

戦争の悲惨さは語り継いでいかなければならない。
この時期、戦争を体験された方に、自身のお話をしていただく場があります。
そのお話を聞いて、“戦争は恐いんだ・いけないんだ・なくすんだ”と、心新たにする若者が大勢いる。
反面、“響かないんだよね・ピンとこないや・そんな恐い話聞きたくない”という感想を述べる者もいるという。

「そんなこと言うなよ!!」と思う方もいると思いますが、でも正直な気持ちなんだと思う。今や日本とアメリカが戦争をしたことを知らない人もかなりいるという。

戦争の悲惨さ・つらさ・恐さは、実際に体験しなければ分からないことです。
戦争に限らず、つらさや哀しさは体験した人にしか分からない。
分からないけれど、「分からないから、分かる必要ないや」って話ではない。
そのつらさ・哀しさに こころ を寄せる努力を惜しんではいけない。
分かろうとする、何かを感じ取ろうとする想いを失ってはいけない。

“響かないんだよね・ピンとこないや・そんな恐い話聞きたくない”
正直な気持ちを語ってくれて、ありがとう。
戦争の体験談を聞いた瞬間に「感動した!!」って言ってしまえるほうが、その場限りの想いになってしまうかもしれない。

こころ動かされた人も、なにも感じなかった人も、これからどう動くのか。

話を聞き続けること。そこから何かが動き出す。
話をし続ける。戦争の体験談を話すのは、実はとてもエネルギーを必要とすることだと思います。出来ることなら思い出したくないことだもの。
だから、口を閉ざしたままの人もいる。
だけど、語らずにはおれない人もいる。
そして、戦後61年(第二次大戦だけが戦争ではないけれど)、今まで語ることを避けていた人々が語り始めてもいる。

どうして今になって語るのか。61年も経っているのに。
どうして今になって語らなければいけないのか。61年も経っているのに。

果たして、自分の中でイメージを、想いを膨らませる作業をしてきただろうか。
話を聞いて、ただ感銘を受けるだけであったり、何も感じないだけであったり、そこにとどまっているのならば、
“戦争は恐いんだ・いけないんだ・なくすんだ” も
“響かないんだよね・ピンとこないや・そんな恐い話聞きたくない” も同じ事。

「戦争の悲惨さは語り継いでいかなければならない」と最初に書いたけど、
バトンのリレーでは、年月が経てリレーすべきバトンは壊れてしまう。
雪だるまのように、少しずつ少しずつ大きくしていかなければ、語り継いでいることにはならない(「雪だるまは溶けちゃうよ」なんて言わないでくださいね。たとえが下手くそでごめんなさい)。

人の話を聞くってことは、自分をその立場に置いてみることかな。
上の空で聞いたり、耳の右から左へスルーしていったり、自分勝手に解釈したり(自分をその立場に置くことと紙一重でむずかしいけれど)することを聞くとは言わない。
それでなくても聞いた話って、語り手が伝えたい想いの十分の一も伝わってないのだから。

つまりは、聞いてこなかったのかもしれない…

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コメント

かつさんこんにちは☆
昨日夜にやってたNHKの討論番組を見てました。首相の靖国神社参拝をどう思うかみたいなことから始まって、外交問題など市民を交えて討論していました(NHKにしては画期的)。その中で、視聴者アンケートをしていたんですが、私たちの年代が「首相の靖国神社参拝に賛成」が最も多い年代で、すごくショックだった。さまざまなところでいろんな方法でたくさんの人と話しつづけてきたことなだけに、まだまだ先は長いんだな・・・と思いました。でも一人に伝えなきゃ始まらないんだ、とも思っています。一人に伝えることから戦争をなくしていこうと思いを新たにした実りある終戦記念日でした。

☆蝙蝠さん おはようございます
私もNHKの討論番組見てました。
経緯はどうあれ、若い人が戦争に興味を持つようになったようです。
でも、首相が思い描いている“愛国心”を持ってしまいそうで恐いですね。
せっかく興味を持ったのだから、自分の頭で考えることをしてほしいです。
NHKの討論番組だけでなく、あらゆるメディアが靖国参拝「賛成」か「反対」かでしか語っていませんでしたが、グレーゾーンがあるわけです。
「賛成だけど反対」「反対だけど賛成」「賛成でもあり、反対でもある」「賛成でもないし反対でもない」「どっちでもいい。でも私はこう思う」…いろいろな想いがあるのに、「賛成」か「反対」で片付けようとしている。明確な結論を出そうとしているのかな?
押し付けられた“愛国心”ではなく、自分のこころから“愛国心”が芽生えてくるといいな。

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