« 鐘の声 | トップページ | 傷つけられるのは… »

2006年1月22日 (日)

つもった雪

  つもった雪 金子みすゞ
上の雪
さむかろな。
つめたい月がさしていて。

下の雪
重かろな。
何百人ものせていて。

中の雪
さみしかろな。
空も地面もみえないで。

    
昨日、東京にしては かなり雪が積もりました。
でも、東京の積雪程度では「上の雪・下の雪・中の雪」って発想は出てこないと思うのです。
実際に雪の壁を目にして生まれた詩のような気がします。それともイメージで書いた詩なのでしょうか。
金子みすゞさんは、山口県の生まれです。山口県はどの程度の雪が降るのでしょうか。

雪が積もると、自分の家のことだけで精一杯だと思うのです。
家は壊れないか。暖はとれるか。食料はあるか。道は通れるか。
でも、そんな中でも「さむかろな」「重かろな」「さみしかろな」と、他を想う気持ちが出てくる。
実際に雪の壁を目にしていたのか、イメージなのかは、分かりません。でも、どんな状況であっても、他を想う気持ちがなく生まれてくる詩とは思えませんでした。
金子みすゞさんの生涯は、自分のことだけで精一杯だったように感じます(誰しも自分のことで精一杯だとは思いますが)。それなのに、「さむかろな」「重かろな」「さみしかろな」って。
実際になにか出来るわけではないかもしれない。だけど、「さむかろな」「重かろな」「さみしかろな」ってことに、こころが届く。
優しさが伝わってきました。
   
        
金子みすゞさんの「つもった雪」。昨年の暮れ、ブログのコメントでこの詩を教えていただいてから、お気に入りです。
でも、本棚にある詩集を読み返したら、「つもった雪」が載ってました。詩集を読んでいる時は、気にもならなかったのでしょうね。しかし、今、この詩が私に響いてきた。詩と、こころの中で模索していたなにかが引っかかったから。
つらいことがあったり、なにか悩んでいたり、なにかに興味を持ったり、深く考えることがあった時、こころに響いてくるものがあります。普段交わしている会話、読み流している本、見過ごしていることば、なにげなく眺めている景色の中に。
いつもと同じことばや景色なのに、ある日突然、こころにとまる。自分を動かす力になる。
日々の出会いを大切にしたいですね。

« 鐘の声 | トップページ | 傷つけられるのは… »

コメント

心がつんつんとがっている今の私に、
あたたかい詩をありがとうございます。

自分のことでいっぱいになると、
(仕事のこととかじゃなくて、
 思い方とか、他のことが見えなくなると)
他の人の気持ちに目を向けられなくなりますね。
「自分が、自分が、」になってしまいます。

あたたかい言葉たちをいただいたので、
心の空気も入れ替えして、
穏やかに過せるようにしていきたいです。

☆りるさん こんばんは
みすゞさんの詩が、今の私に潤いを与えてくれる。
ことばって生きているんですね。

「心の空気を入れ替えして」
そうだ、私も入れ替えよう!!
ちょっと心の空気が濁ってました。

かつさん りるさん こんにちは

「心の空気を入れ替えして」
そうですね 私も入れ替えしよう
外の冷たい空気を深呼吸して、しゃっきりと!
(このところ、とても澱んで濁ってる感じがしてて)

「ことばって生きている」
ほんとにそうだなあと思って読みました
自分の口から出た言葉は生きて相手に届く
相手をただ傷つけたり突き放したりして、暴れるような言葉を、産まないようにしたいと思いました。

☆fairmoonさん こんばんは
「つもった雪」fairmoonさんに教えてもらったんですよね。
ありがとうございます。
生きたことばが、私にしっかりと届きました。

かつさん
またまたすみません

そう、私が書いたことがかつさんのこころにこんなふうにとまったと知ってとても嬉しかったのですが、最初のコメントにそうと書けない所が私の素直じゃないところ・・・でもちゃんと言おうと思って戻ってきてしまいました。
とっても嬉しかったです^^
ことばや人との出会い、いろいろにつながっていて不思議ですね。
かつさんが取り上げてくださって、私もまたこの詩に出会いなおした感じがします。

☆fairmoonさん おかえりなさい^^
自分からは書きづらいものってありますよね。
この詩を教えていただいたこと、感謝しています。

「ことばや人との出会い、いろいろにつながっていて不思議ですね」
うん、つながっているんですよね。
実際に会わなくても、生きている場所や時代が違っても、つながりってあると思う。それを実感できるよろこびもある。
実際に会っているのに、つながりを感じられないことだってあるのに。

先輩僧侶が、
「生きている時代が違ったからこそ、私は親鸞聖人に会えた。同じ時代を生きていたら、おそらく出会えてはいなかっただろう」
って、ご自身のHPで書いてました。すごく分かる気がします。

違う時代を生きているからこそ、金子みすゞさんにも会えたんだと思う。
ブログで知り合えた人たちとも、ブログだからこそ結べた関係がある。

ひとつの詩が、いろいろなことを教えてくれました。

この詩に初めて出会ったのは小学生の頃です。
朝の朝礼の前に先生が毎日一つずつ詩を読んでくれた中の一つでした。「積もる雪」はなぜだか忘れられずにまだ心の中にひっそりと残っています。

☆まゆみさんへ
はじめまして。コメントをありがとうございます。
コメントをいただいたおかげで、「つもった雪」をあらためて味わわせていただきました。
こころに残る詩ですね。
それぞれの立場で、それぞれの想いがある。
他者から見れば、羨ましく見えても、その人にはその人なりのつらさしんどさがある。そういうことにも想いを馳せられる、みすゞさんの優しさが感じられます。

朝礼の前に毎日ひとつずつ詩を読んでくださる先生からも、優しさが伝わってきます。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 鐘の声 | トップページ | 傷つけられるのは… »

フォト
2019年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ