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2005年10月23日 (日)

兄貴として

親父の一番長い日   (作詞・作曲:さだまさし)

 おばあちゃんは
 夕餉(ゆうげ)の片付けを終えた時
 弟は2階のゆりかごの中で
 僕と親父は
 街頭テレビのカラテ・チョップが白熱した頃に
 妹の誕生を知った
 それから親父は
 占いの本と辞書と
 首っぴきで
 実に一週間もかけて
 娘のために
 つまりはきわめて
 何事もないありふれた名前を見つけ出した
  お七夜 宮参り
  夫婦は自画自賛
  可愛いい娘だと
  はしゃぎ廻るけれど
  僕にはひいき目に見ても
  しわくちゃの失敗作品
  やがて彼女を訪れる
  不幸に胸を痛めた
  兄貴として
  
  
 妹の生まれた頃の我が家は
 お世辞にも豊かな状態でなかったが
 暗闇の中で何かをきっかけに
 灯りが見えることがある
 そんな出来事だったろう
 親思う心に勝る親心とやら
 そんな訳で妹は
 ほんのかけらも
 みじめな思いをせずに育てられた
 ただ顔が親父に似たことを除けば
  七五三 新入学
  夫婦は狂気乱舞
  赤いランドセル背負ってか背負われてか
  学校への坂道を
  足元ふらふら下りてゆく
  一枚のスナップが
  今も胸に残ってる
  兄貴として
  
   
 我が家の血筋か
 妹も足だけは早くて
 学級対抗リレーの花形で
 もっとも親父の応援のすごさに
 相手が気おくれをして
 随分助けられてはいたが
 これも我が家の血筋か
 かなりの演技派で
 学芸会でもちゃんと役をもらった
 親父の喜びは言うまでもない
 たとえその役が一寸法師の
 赤鬼の役であったにしても
  妹 才気煥発
  夫婦は無我夢中
  反抗期を過ぎて
  お赤飯を炊いて
  中学に入れば 多少
  女らしくなるかも知れぬと
  家族の淡い期待
  あっさり裏切られてがっかり
  兄貴として
  
  
 妹の初恋は高校二年の秋
 相手のバレー部のキャプテンは
 よくあるケース
 結局言い出せる筈もなく
 枯葉の如く散った
 これもまたよくあるパターン
 彼氏のひとりもいないとは情けないと
 親父はいつも笑い飛ばしてはいたが
 時折かかる電話を
 一番気にしていたのは
 当の親父自身だったろう
  危険な年頃と
  夫婦は疑心暗鬼
  些細な妹の言葉に揺れていた
  今は我が家の
  一番幸せなひととき
  も少し  
  このままいさせてと
  祈っていたのでしょう
  親子として
  
  
 或る日ひとりの若者が我が家に来て
 “お嬢さんを僕に下さい”と言った
 親父は言葉を失い
 頬染めうつむいた
 いつの間にきれいになった娘を見つめた
 いくつもの思い出が親父の中をよぎり
 だからついあんな大声を出させた
 初めて見る親父の狼狽
 妹の大粒の涙
 家中の時が止まった
  とりなすお袋にとりつく島も与えず
  声を震わせて
  親父はかぶりを振った 
  けれど妹の真実を見た時
  目を閉じ深く息をして
  小さな声で…
  “わかった娘はくれてやる
  そのかわり一度でいい
  うばって行く君を
  君を殴らせろ”と言った
  親父として
   
    
 妹の選んだ男に間違いはないと信じていたのも
 やはり親父だった
 花嫁の父は静かに
 娘の手をとり
 祭壇の前にゆるやかに立った
 ウェディング・ベルが避暑地の教会に鳴り渡る時
 僕は親父を見ていた
 まぎれもない父親の涙の行方を
 僕は一生忘れないだろう
  思い出かかえてお袋が続く
  涙でかすんだ目の中に僕は
  今までで一番きれいな妹と
  一番立派な親父の姿を
  刻み込もうとしていた
  兄貴として
  息子として

         
(10月25日 記)      
10月23日 妹が結婚式を挙げました。
母は長崎から嫁ぎ、妹は長崎へ嫁いでいきました。
ご縁ですね。

ホテルの教会で式を挙げ、 
ヴァージンロードを歩くのを恥ずかしがっていた父も
「今日だけキリスト教徒です」なんて
照れながらも、うれしそうに言ってました。
式の途中、ふと横を見ると泣いてる父の姿。
母が泣くのは想像もつきますが、父が泣くとは。
父の涙を見たのはいつ以来だろう。
驚いたけど、なんかうれしかった。

披露宴中、
両親は挨拶に回って大変だけど、
兄は思ったより暇なもので、
おかげで長崎の卓袱(しっぽく)料理を堪能できました。
美味美味♪

二次会は知り合いのスナックを貸しきって。
ママさん、お休みの日なのに、お店を開けてくださってありがとうございます。
親戚は、小さい子や孫がいるので披露宴が終わって帰宅。
新郎新婦の友人ばかりでした。
若い人が楽しそうに歌っているのを見ながら
美味しいお酒をいただきました。
「お兄さんも歌ってあげなよ」
どこからともなくそんな声が。
ここで15分ほどある「親父の一番長い日」を歌ってはヒンシュクを買うので、かぐや姫の「妹」を歌いました。  

  妹よ
  ふすま一枚へだてて今
  小さな寝息をたててる妹よ
  お前は夜が夜が明けると
  雪のような花嫁衣裳を着るのか

  妹よ
  お前は器量が悪いのだから
  俺はずい分心配していたんだ
  あいつは俺の友達だから
  たまには三人で酒でも飲もうや


  妹よ
  父が死に母が死にお前ひとり
  お前ひとりだけが心の気がかり
  明朝お前が出ていく前に
  あの味噌汁の作り方を書いてゆけ

あらあら両親健在ですから…。

  妹よ
  あいつはとってもいい奴だから
  どんなことがあっても我慢しなさい
  そしてどうしても どうしても どうしても
  だめだったら帰っておいで 妹よ


「だめだったら帰っておいで 妹よ」
結婚式の晩にそんなこと言っちゃぁ…。
選曲ミスでしょうか。
でも、妹も母も、スナックのママさんたちも泣いてたからいいか(自己満足)。

父と母と妹と私、4人そろって写真を撮ってもらいました。
「そういえば、こんなふうに写真撮るの久しぶりだね」
さらに一人、新しい家族を迎えて5人でパシャリ☆
「功一くん、妹を頼むね。いっちゃん、おめでとう」

たくさんの人の力を借りて育ってきたんだなぁ。
たくさんの人と手をつなぎながら歩んでいくんだなぁ。
それから、私には謝っても謝りきれない人がたくさんいるということを忘れてはいけないと胸に刻んできました。
いろんなことを実感した、妹の結婚式&披露宴&二次会でした。


最後に、
寺の留守番を引き受けてくれた弘次くん、ありがとう。
従兄弟で一人だけ式に参加できなかったけど、
おかげで家族揃って妹たちの門出を祝うことが出来ました。

ありがとう。みんなありがとう。

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コメント

かつさん おめでとう!ございます なのかな^^

妹さん?

しばらくパソコン壊れてて なんだか久しぶりにお邪魔しました

もう、すっかり寒くなりましたね

風邪、ひいてませんか?微笑

☆美雨さん こんにちは♪
お久しぶりです。お元気でしたか?

はい、妹の結婚式でした。
ありがとうございます。

おでんの美味しい季節ですね。
こんど買いに行きますね♪

かつさんの心からいろんな想いがいっぱいあふれてくる いいお式だったのですね

背景はわからないけど、気持ちが伝わってきて じーん としました

妹さん きっと お幸せに歩まれていくのでしょうね

家族の人生の節目は 自分の節目とはまたぜんぜん違う感情で 心が満たされるものですね

うれしかったり、せつなかったり いとおしかったり・・・・やわらかい気持ち

愛する方と 光いっぱいの暖かな道を行かれる姿 陰ながらお祈りしております

☆美雨さんへ ありがとうございます。
家庭のことなんで、書こうか書くまいか悩んだんだけど、
書いちゃいました。
すぐにコメントくださって、ありがとうございます。

かつさん、お久しぶりぶり~。
妹さんの結婚おめでとう。

さださんの唄にかつさんの気持ちをシンクロさせて読まさせていただきました。

寒くなってきたから、こんな心温まる記事が
本当にジンワリと心に響きます。
お幸せに~

☆ameさん おひさしぶりです。
コメント&お祝いのことば ありがとうございます。

自分も泣くのかなぁなんて思っていましたが、涙は出ませんでしたね。周りが先に泣き出すものだから。
食べるのに夢中でした^^

ameさん、無理は禁物ですよ。
楽に楽に。

かつさん こんにちは。
こちらにいらしてたなんて。
しかも妹さんの結婚式に。

兄ってどんな気持ちで妹の晴れ姿を見るんだろうって。兄にとって妹ってどんな存在なんだろうって。

おめでとう。
淋しさもあるけれど・・・きっと素敵な花嫁さんで素敵なお式だったことでしょうね。

私も数年前の妹の結婚式には、親より先に号泣してました。超未熟児を出産してその子が退院して暫くして妹夫婦は式を挙げました。
姉なのに新郎に言ってやりました。あんたには勿体ないんだから!ってね。

今度はゆっくり空を見上げにおいでくださいね。

**おめでとう かつさんの妹さん**

☆おかよさん お久しぶりです
お祝いコメントありがとうございます。
式当日は天気も良く、浜の町の空を眺めてました^^

妹は長崎の大学に行き、
そのまま長崎で就職しました(保母さん)。
だから10年以上一緒には住んでなかったので、
嫁いでしまうという淋しさはそんなにありませんでしたね。

「食事の支度できるのかなぁ」
「家庭を切り盛りできるのかなぁ」
なんて心配ばかりですが、
杞憂なのでしょうね。

今度はゆっくり長崎の空を眺めに行きますね。

かつさん、こんばんは。
妹さんのご結婚、おめでとうございます。
おいらは一人っ子なんで兄妹の関係にとても憧れをもっていました(加山雄三氏の影響(笑))
うちの子供はその兄妹という関係で上の息子に「お前は妹がいていいなぁ・・・かわいいべ?」と質問してしまいます。
「かわいくない」素っ気ない返事が返ってきますが、実はとても仲良しでいてくれます。
なんとなく・・いいです。

☆ホッシーさん こんばんは お久しぶりです
お祝いコメントありがとうございます。
自分は34歳、妹は30歳。いまだに喧嘩をすることがあるので、母親には「いい歳して、いつまで喧嘩してんの!!」なんて注意されるのですが、いざというときは頼り頼られ、何を考えているのかお互いなんとなく分かっていたり。
普段は邪魔者。いざという時は頼りになる者。そんな感じでしょうか。
「なんとなく・・いい」言いえて妙ですね^^

かつさん、こんばんは。
妹さん、本当に本当におめでとうございます。
新しい家族ができる基盤にあるのは、
生まれ育ってきた家族があるということなんだなあって、
家族写真のシーンを読んで、しみじみと感じました。
親世代から子世代へ、こうしてつながっているんだなあって。

私は結婚式をあげなかったので、
こうした節目を実感できないままなんです。
当時はふたりで挙げないことを決めたのだけど、
お気楽だった分、そういう大事なことが抜け落ちていたんですよ。
だから、こういう様子を読ませて頂くと、
本当によかったなあって思います。

兄として、心配も尽きないのかな?
でも、それ以上に、これからがとても楽しみですね。

本当に、おめでとうございますm(_)m

☆りるさん こんばんは お久しぶりです
お祝いコメントありがとうございます。
自分は、「結婚式や披露宴って必要あるの?」って人だったのですが、節目という意味では必要なんだなぁって思います。というより、必要だからこそ今までやってきたんだなぁって最近強く思います。
お葬式もそうですが(結婚式と同じように語る私)、儀式って、節目としての意味が大きいんですね。そうでないと、日常の流れのままに時が過ぎてしまいますから、自分の心のどこにも引っかからなくなってしまうんだなぁって思います。
なんてこと言って、ごめんなさいね。
式をしたから良くて、しないからダメとかそういうことじゃなくて、意味があるから続いてきたのが儀式であり、伝統になるんだなぁと、丁度感じていたのです。

兄としての心配よりも、「お前はどうするんだ?」って親や妹は心配していることでしょう(><)

>かつさん、めもさん
おふたりの話に割り込みです(笑)
結婚式・・・おいら思うにコレは両親のためにやってあげるって意味もあるのかなって考えます。
披露宴ではうちの両親も奥の親も笑顔と涙でした。
親孝行は他の方法でいくらでもしてあげれるのかもしれないけど、自分の子供がたくさんの人に祝福されてる姿を見せてあげるっても良い親孝行だと思います。
それと・・こんなおいらでも挙式で神様の前で読んだ誓いの言葉は、とても厳粛な気持ちになりました。
「幸せにせにゃいかん!」と思いました。
『二人相和し・・・』を『ふたりは、いわし』と読んでしまったのが少し心残りではありますが・・・。

☆ホッシーさん 続けてこんばんは
コメントありがとうございます♪
ホッシーさん、ブログを読んでいて感じる家族への愛情。
その想いの出発点を見せていただいたような気がします。

『ふたりは、いわし』^^
2人ともいわしだから結ばれたんですよ♪
〈すみません、うまく突っ込めなくて(><)〉

>かつさん、ホッシーさん
私も割り込んじゃおうっと^^;

披露宴…
私も娘達の結婚式&披露宴は、ぜひとも参加したいなあって
思います。きっとこれが親心なんだろうなあ。。。
『ふたりは、いわし』笑わせて頂きました!
いわしは「魔よけ」になるから、
ホッシーさんの家庭はこれからも絶好調!
(ってことで、フォローいかがでしょう 笑)

儀式はとても大事なものだなあって、子供が産まれてから
感じるようになりました。(気づくのが遅すぎなんですが^^;)
儀式?と言えばお宮参りに七五三、
節目と言えば、幼稚園の入園や卒園、小学校の入学式など、
親の私にとっての意味も大きいのだと思いました。
ここ数年、私自身は誕生日が“節目”の役割をしています。
○○歳はこんな年だったなあ、△△歳は気持ち新たにこんな年にしよう!っていう感じで(笑)

話がそれていますが、結局、そういう事なんですよね、きっと。
結婚式にお葬式、本当に大事な儀式だなって思っています。
大事だからこそ、受け継がれてきたというのも納得です。

「人は人生で三回、人に見られる」という言葉を聞いたことがあります。
一回目は誕生したとき。
二回目は結婚するとき。
三回目は亡くなったとき。

本当に、大事な大事な三回ですよね。

☆りるさん お眠ぅございます
儀式…やらなくてはいけないものとか、やらなくてもいいものって考えることがおかしいのでしょうね。
伝わってきた事実・歴史から、私が何を感じるか。
そういう場が与えられているんですよね。
私が“する”と思うから、やるやらないという話から、その必要性を考えてしまう。理屈抜きで大切なことってあると思うのです。
「親の私にとっての意味も大きいのだと思いました」
この想いがすべて語りつくしてくれているような気がします。
ありがとうございます^^

昨日、妹夫婦が新婚旅行から戻ってきました。
一晩うちに泊まって、明日長崎に“帰ってしまいます”。
淋しいというより、弟がひとり増えて賑やかな気がします。

かっちゃん、おひさしぶりです。きのうマドカさんのところでヨシオ君から頂きました。
6月30日はありがとうございました。おまけにきっちり清算&後始末のフォームまで作って頂いて。丁寧なお仕事に感激しました。
またよろしくお願いいたします。まずはありがとうございました。
ps ライターの皆さんわかんない話ですみません。おじゃましました。

☆五島さんこんばんは お久しぶりです
「きのうマドカさんのところでヨシオ君から頂きました」
何を? もしかして会計報告でしょうか。
楽器は演奏できませんが、電卓使うのは得意なのでおまかせください。

ところで、なんでこの記事にコメント?
ビックリしました^^

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