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2005年8月 9日 (火)

やすらかに眠らずにいてください

  おねがいです、おとうさん、おかあさん
  どうか、やすらかに眠らずにいてください。
  いつまでも、花と、花を愛する人間のために
  鐘を鳴らしつづけてください。
  生きのこったものへの、鞭となって、
  むしろ鞭のような花となって
  生きつづけてください。

1945年8月9日午前11時2分、長崎に原爆が落とされました。
戦後60年 反戦・非戦を訴える声が響き渡ります。
反面、60年という時の経過は、忘れてはならない出来事をも風化させてしまいます。

原爆で4人のお子さんを亡くされ、戦後、亡き子供たちを想い、日本人形を集め続けられたご夫婦がいました。
今日のことばは、そのご夫婦のお墓の側面に刻まれていることばです。

親しい人が亡くなると、「安らかにお眠りください」と言います。こころの底からの思いやりのことばかもしれません。しかし、亡き人から何も受け継がないならば、「安らかにお眠りください」ということばは、亡き人をおとしめることばになってしまいます。

戦争の悲惨さは、経験した者にしか分からない。
だからといって、また戦争を経験しなければ、哀しみや傷みが分からないのか。
亡き人の声に耳を傾けてこなかった結果です。
「やすらかに眠らずにいてください」
哀しみや傷みまで忘れてしまう私たちのために、いつまでも生き続けてください。

  今、哀しいことより
  この哀しみがうすれることのほうが、
  ずっとかなしい。

             (ナカムラ ミツル)

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