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2005年8月 1日 (月)

2005年8月のことば

   PICT0048
    なみだは
    にんげんのつくることのできる
    一ばん小さな
    海です

                 寺山 修司

親鸞聖人は、流罪の地越後で、厳冬の荒波を見ています。このとき見た海に親鸞聖人は、大きな力を感じたのではないでしょうか。自分を生かそうとはたらきかけている力を。

親鸞聖人は、阿弥陀如来を、よく海で譬えられます。
 大宝海・一乗海・本願海・誓願海…
川の水(衆生)が、どんなに汚れて濁っていても、海に入れば、汚れも浄化され、たちまち海と一味となる。衆生を、すべて救い入れてくださるという比喩です。

親鸞聖人は、衆生を、海で譬えることもあります。
 群生海・煩悩海…
衆生のもつ煩悩は、広さも深さも大きさも際限がないという譬えです。

阿弥陀如来も、衆生も、双方とも海で譬えるって、驚くべきことだと思います。
阿弥陀如来が衆生を救うはたらきを海で譬えるのならば、衆生は、海に生きる魚や、海に浮かぶ木片にでも譬えられそうですが、衆生をも海で譬える。
双方を海で譬えるということは、双方が混じりあうことができるということの、阿弥陀如来の救いの中にあるということの表われ。
親鸞聖人が救いの事実を感得されたのは、静かな海ではなく、日本海の荒波を見てのこと。救う側の苦悩も、救われる側の苦悩も、この荒波の中に見られた。

海には、包容力がる。
 つらいことがあったとき
 未来に希望を託すとき
海は、いつも私を包んでくれる。私を包み込んでくれる優しさは、どこから来るのか。

私の中にあるさまざまな感情・想い・経験は、私にしか分からない。分からないけれど、海は、そのすべてを引き受けてくれる。まるで、すべてを知っているかのように。
海の前では、私がちっぽけに思える。すべてお見通しで、すべてを認めてくれて、すべてを引き受けてくれる。

涙には、流した人の感情が含まれている。
 つらさ 悲しさ 耐え忍ぶ気持ち 
 うれしさ 楽しさ 感謝 感動
涙は、一滴ですべてを語る。

涙を流した人だけがもつ優しさがある。涙は、体の中に溜めておけなくなった感情があふれ出たもの。涙流した分だけ、あなたの淋しさを受け容れられる。

     ダイヤモンド   寺山 修司
  木という字を一つ書きました
  一本じゃかわいそうだから
  と思ってもう一本ならべると
  林という字になりました
  淋しいという字をじっと見ていると
  二本の木が
  なぜ涙ぐんでいるのか
  よくわかる
  ほんとに愛しはじめたときにだけ
  淋しさが訪れるのです

「ほんとに愛しはじめたときにだけ 淋しさが訪れる」
愛しはじめて淋しさが消えるのではなく、愛しはじめたときにだけ 淋しさが訪れる。
人を想うこころを持ったときにだけ、涙の意味がよくわかる。
奥底に溜まった、人を思う気持ちが溢れでたものが海であり、そして涙。

海を汚して、なにを頼りとするつもりか。
涙を忘れて、誰を想うことがあるだろうか。

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コメント

「ほんとに愛しはじめたときにだけ 淋しさが訪れる」
あれれ。。。という思いです。
私、見返りの愛が欲しかった時は、すごく淋しがりでした。
私が主体となった愛、人を愛することがどういうことか
わかりかけてきた途端に、不思議と今までの淋しさが消えました。
と言うことは、私が「人を愛する」と思ってきたことは
まだまだ奥が深いことで、
遠いところに答えが待っているんだなあ、
どういうことなんだろうなあ、と、新しいモノ見たさの気持ちでいます。

私は、何をもって「愛する」と言えるんだろうと、
答え探しの旅の真っ最中です。

☆りるさん こんばんは
個を対象にした「愛」は、その他を無視してしまう。
多数を対象にした「愛」は、個がぼやけてしまう。

「愛する」主体を私(人間)だとすると無理がある。
私は愛される対象、いや、愛されている対象なんだ。

はじめまして
少し前から時々おじゃましております

日常の生活にまぎれて、あわただしくすごしてしまって
色々なことを立ち止まって考えることも
やめてしまっているような毎日ですが、
こちらで読ませていただく言葉がとても心に響きます

自分が天から愛されているように周りのひとをも愛したいと思う毎日です。
とてもとても難しいんですけれども。

これからもおじゃまさせてください、
それと、自分のブログにリンクをさせていただいていいでしょうか?

☆fairmoonさん はじめまして
コメントありがとうございます。
「自分が天から愛されているように周りのひとをも愛したいと思う毎日です」
そうですね。確かに難しいことだけど、そういうことを意識できるということ自体、素晴らしいことだと思います。

リンク、大歓迎です。ありがとうございます。
これからも遊びに来てください。
私も、お邪魔させていただきます。


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