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2005年5月 3日 (火)

  過        吉野 弘
日々を過(す)ごす
日々を過(あやま)つ
二つは
一つことか
生きることは
そのまま過ちであるかもしれない日々
「いかが、お過ごしですか」と
はがきの初めに書いて
落ちつかない気分になる
「あなたはどんな過ちをしていますか」と
問い合わせでもするようで―


「過」という漢字、「すごす」とも「あやまつ」とも読めます。
まったく関係がないように思いますが、「度が過(す)ぎることが、過(あやま)ちに通じる」と考えると、まったく関係がないとは言えませんね。
「過ごす」の対に「過ち」があるとしたら、時間を無駄に過ごすことを「過ち」と言うのかもしれません。
時間を大切に生きようと思いつつ、気付いたらダラダラ過ごしていたりします。「過」という字は、そのような生活態度を戒めているのかもしれませんね。

生きるということは、罪を犯しながら生きているということだと思います。そう、私たちは、許されることがない存在なのです。(5月1日の記事より)ということを書きました。「過去」は「過ちの」歴史を表わしています。悲観的に言っているのではなく、過ちを繰り返しながら生きているという身の事実ですね。悲しいことは、そのような身の事実ではなく、そのような歴史を「過去」のこと、「過(あやま)ちが去っていった」ことにしてしまうことです。

「あなたはどんな過ちをしていますか」
常に自分に問い続けて生きていきたいものです。日々反省。


付記
『詩のすすめ』吉野 弘(思潮社)を読んでいて、「過」についての考察のきっかけをいただきました。

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